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頼むから



・ミミロップ♂
・最後だけ擬人化あり
・なんかおかしい



最初はいつもなまえの隣にいるあいつが、邪魔だった。

パートナーだから一番長く一緒に居るからと贔屓され、何もかも尽くし尽くされの関係が出来上がっていて正直嫉妬ものだ。俺は三番目ぐらいになまえの手持ちになったわけだけれども、それにしたって贔屓されすぎだ。

ポケモンフードもアクセサリーも態度も何もかも違う。いや、態度はいいすぎか。たぶん無意識なのだろうが、接し方が俺や二番目の手持ちであるピジョンとは違った。多少の差ではあるがそれが許せなかった。

だから奪ってやった。

ベタベタに甘えて体をすり寄せて、かわいらしい顔をここぞとばかりに使ってはなまえを独り占めした。この暴挙には甘え上手であるエネコロロも、唖然とするほかない。

なまえは最初こそ急にどうしたの、何かあったんじゃ、と戸惑っていたが、そういう時期なのかなぁとか呟きながら相手にしてくれたので、上手いこと事は運んだ。いつの間にか、エネコロロがいたなまえの隣は、俺の場所へとなっていた。

まさかこんなにちょろいだなんて!

そりゃあもうエネコロロの嫉妬といったら酷いもんだし、視線だって恨めしそうなものだった。しかし俺は生憎と性格の悪いウサギであるので、こちらをエネコロロが睨みつけてくる度に、見せ付けるようになまえといちゃいちゃしてやった。ざまあみろ!と思わずにはいられない。所詮エネコロロの可愛さだって、俺の種族には敵わないのだ。つーか俺、毛並みとか見た目だって気にかけてんの。そこらのミミロップなんかにも負ける気はしないね!

そう思いながらも、なまえへの上目遣いやスキンシップは忘れない。俺ってば愛されるべきなんだよ。愛されないと死ぬ。


「ミミロップはほんとう、甘えただね」


当たり前だろ。なんのために頑張ったと思ってるんだ。お前のために全部可愛さも美しさも磨いてんだよ。気づけ。気づいてくれ。一番じゃなきゃ満足できない。愛されるのは俺だけでいいんだ。他の二匹なんていらなかったって思えるぐらい、俺に夢中になればいいのに!

あああピジョンだって邪魔!ものすっごく邪魔なんだよ!

エネコロロだって連れ歩く必要ねぇのに!


「なまえにだけ、だよ」


ねぇピジョンなんか弱ぇよ。あんなやつ手持ちにいたところでどうなる?俺のかみなりパンチで麻痺ってやがったんだ。一発KO。なぁ、弱いよ。エネコロロだって俺のかくとう技には勝てない。俺が一番強くて、一番かわいい。

だから俺だけ愛して

なんでそうやってピジョンの野郎のことなんか心配するんだ

どうしてそうやってエネコロロの安否を確認したがる。どうして不安そうにする?


「なまえ、」


もうわからない。最初は策を練ってなまえの傍を陣取り続けていたのに、気づけば理性なんか跡形もなくなっていた。全部ほしい。なまえの声も、体も、瞳も、頭も全部ほしい。欲しくてしょうがなくなった。とめられなかった

たまらずに他の二匹へと手を振り上げたし、自慢の強さでじわじわ苦しめながら瀕死にしてやった。俺はわるくない。だって、なまえが、あいしてくれない

俺だけ、全員じゃなくて俺だけを愛してくれないから、こんな風になったんだ!


「俺だけに」


全部ちょうだい。


人型になってなまえにとびかかる。俺、おれだってなまえを傷つけたいわけじゃない、のに!

愛憎が爪をうずかせる。牙がうずうずする。変に体に力が入る。傷つけてでもぜんぶもらうから!ねぇ今からでも遅くないから、ねぇ、言って!

俺を愛してるって!!