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end



言ってもいいよ、なんていわれたが、ラナには一生このことを誰か他の人間に告げ口できるとは思えなかった

それは殺されかけた恐怖からか、それとも彼らのためなのか、よくわからないが色んな思いがあるのだと思う。けれども狂ってることに違いはなかった。少々愛が重いだけではすまされないものだった。メイナは大丈夫だろうかと考えたが、メイナに近づいた時点でリンクが敵を排除すべく襲い掛かってくるので、考えるだけ無駄というものだ

ふと、メイナと最後にあったときの会話を思い出す

彼女はリンクが満足していれば何もされないと言っていた。その言葉は当時疑わしいものであったが、今更になってラナは、なるほどと思う

私が近づかなければ、他の人間がメイナに近づかなければ、リンクは今までどおりみんなの勇者であり続けるし、優しい好青年でありつづけるのだ。それが出来るのは守るべき愛しい存在が傍にいるからで。殺してしまいそうなくらい愛しているメイナがいるからで、そのおかげで私達は今リンクの八つ当たりになどあわなくてすんでいるのだと思うと、やっぱり被害者はメイナだけですんだのだと考えるしかなかった

もしあのままメイナがリンクから逃げていたら?

もしあのままメイナがリンクを突き放し続けていたら、リンクはどうなっていたのだろう

きっとメイナへの気持ちが爆発して周りが酷い目にあっていたはずだ。それに今メイナがリンクに監禁されていると誰かに話したところで、それをどうにかしようと誰かが動いたところで、メイナとリンクがどうにかなるようなものでもない

ハイラルは広いのだ。村もたくさんある。国の情報も何も行き届かないような山奥にだって人間はいる。ハイラル全土のどこかに逃げ場がある限り、リンクは止まらないだろう。森でもなんでもメイナがいればそこにはリンクがいるのだ。そういう、ものなのだ

そういう当たり前が、できてしまっていた




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