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07



「異世界の人間?」


リンクは女のことを話すことにした。いつまでも家においておくわけにもいかないからだ。それにいい加減に解決しないと女も辛いだろうと考えていた

ヴィルに出会った経緯から場所、それから今までのことをこと細かく話す。話はできるが、文字は読めないこと。女の話す異世界はまるで自分たちの世界とは違うこと。生活も違えばいろんなことがリンクたちとは違っていた

ヴィルはその話を聞いて、とりあえずポンっと頭に出てきた人物の名前を出してみる


「そんなのラナに頼めば一発じゃない?別の世界から色んな種族とか人間とか召喚してたじゃない。あれと同じ原理っていうか・・・方法で元に戻すことぐらい出来るんじゃないの?」

「出来るかな・・・・」

「少なくともこっちの世界に来れたんなら帰る方法だって一つぐらいあるわよ。私も調べてみるから、リンクは女の人のこと、ちゃんと面倒見てて」


少しだけ不安そうな顔をしたリンクに「まっかせなさーい!私を誰だと思ってんの?魔法使いよ!次元に関してはそういう魔法に特化した人間と話しあったりするから」と言ってリンクの背中を軽く叩いた。リンクは軽く頷いて笑ってみせる


「さっそく調べないとね。リリオにも聞いてみるよ」

「よろしく」


▲▽


「じゃあおばちゃん、これとこれとこおぶっ!?」

「リリオーん!」

「誰だよリリオンってさてはお前・・・・!ヴィルだろ!?」

「よくわかったねリリオ」

「声とテンションでわかるよ・・・・つーか急になんだよ。俺今から昼休みなんだけど」

「昼ごはんの時間か。珍しいね喫茶店にいないなんて」

「金がもう底を尽きそうなんだ。自炊するしか他に手がないんでな」

「・・・・・・・だったら私が奢ってあげようか。ご飯。それかつくってあげるよ」

「本当か!?」

「ただーし!条件があるのですフフフ」

「なんだよ」

「実はある情報を少しでもいいから提供してほしいんですなぁ」


おばちゃんに謝って買う予定だったものを商品棚に戻す。昨日買い物をしたばかりだから私の家に招くことにして、リリオにはそれで了承してもらった。リリオは不思議そうにこちらを見て「で、なんだ?」とたずねかける


「情報?お前が知りたがってるくらいだから・・・・最近の流行か。最近は花柄のスカートが流行らしい」

「誰もそんなこと知りたいなんて言ってないわよ。でもそうね、今度花柄のスカートは買いにいくわ。私が知りたいのはそういうことじゃないの。魔法のことなの」

「・・・・・・・・・・・いやに真剣だな。何かあったのか?」


ひとつ頷いてリリオを見ると、リリオは眉間にしわを寄せてため息を吐いた。面倒くさいことがこれから起こるのだろうことは予想できたからだ。大体ヴィルからの頼みごとは面倒くさいものだったし、今回もそうだろう

ふと、ヴィルが買い物をしている、一般の女を指差す。失礼だろとすぐさまその手を叩いた。文句を言われたが気にしない


「あの女よ」


あの女を元の場所に戻すのよ

ヴィルは何の感情もこもっていない目で女を見る。リリオも女を見たが、丁度タイミングがあったのか目があってしまった。ヴィルと知人なのだろう、驚いた顔でこちらを見ている

ヴィルもヴィルでそれがわかったのか、すぐさま顔に笑顔を貼り付けて「今日は何つくる?麺?パン?ご飯?」


「じゃあ、麺で。パスタがいいな」


つかその選択肢はあんまりだろ