12 リンクは容赦なく刃物で女の手にかすり傷をつけると、血を採血した。それをすぐさまリリオのもとへもっていって、リリオに魔法をつくってもらう 発動するには一人じゃ無理らしいので、ラナが来るまでは待機となるが、それでも鬱陶しい女がいなくなると思って、ヴィルは思わず笑った。リンクもうれしそうだった。これであの子も家に帰れるんだと、良心と生活するうえでのお荷物が消える解放感に頬を緩める リリオはなんの本なのかしらないが魔道書らしきものを見ながら、難しい顔をしてなにやらぶつぶつと呟いていた 「ラナはいつ来る?」 「もうすぐだろ。そう時間はかからないってさ。さっきプロクシィが一度戻ってきて言ってた。・・・・・・・・・・・お、これか?」 何かしっくりくる魔法を見つけたのかリリオはひらめいたような顔をして、本に書いてある呪文とはまた別に色んなものを付け加えながら、呪文をつくりだす。丁度そのときラナの声が聞こえた。久しぶりに聞いた彼女の声に、私とリンクは顔を見合わせる 「久しぶりー!困ってるって知らせが来たから急いできたよ!」 「久しぶりねラナ!」 「久しぶり!」 三人できゃっきゃっと騒ぎあって抱きしめあう。リリオがうるせぇと呟いた気がしたが無視した 「で、どうしたの?私に出来ることがあるならするよ」 「実はなラナ、お前次元の扉開けるだろ?」 「え?」 「お前の魔法と俺の魔法を使って、異世界から来た人間を元の世界に戻してやりたいんだ」 リリオの言葉にラナは首をかしげる。それくらいお安い御用だが、ただ次元の扉を開くだけではどこの世界に飛ばされるかわからない。異世界人の元居た世界に帰すことが出来るとも限らない そう伝えると、リリオは頷く 「だから俺の魔法を使うんだ。ラナの魔法で扉を開いたら、俺が異世界人の血を持ってるからそれで世界を探す。血でヒットした世界なら本物だろ?」 「そうね・・・・それはいつやるの?」 「すぐにだ」 ラナは準備万端なのか元気よく返事をした。魔法が完成すれば、あとはあの女を連れてくるだけ |