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 #「あぁそうですか・・・・」



今日も今日とてマスルールさんの食事を二往復して必死に運んでくると、食べるように促す。それからいつものように仕事をはじめようとしたときだ。


「匂う」

「え"!?」


まじかよ!そう心の中で叫んで自分の臭いを確認するも、いつもどおりにしか感じない
。も、もしかして・・・・・普段から気づいてないだけで、私クサイ!?加齢臭とかも自分じゃ気づかないっていうし、気づかなかっただけで・・・・


「う、うわあああ!どんな臭いですか!?汗!?体臭がッ!!」

「果物」

「さいあ・・・・・え?」

「果物の匂いだ」

「くだもの・・・・・・・あぁ、」


なんだ。変に焦ってしまったではないか!果物か。そういえば朝食べたわ。


「それはたぶん蜜柑ですね。魔法使いの方に、前の世界から持ってきていた果物を凍らせてもらってたんですよ」

「・・・・・・・・」

「おいしいですよ〜今度こっちにも似たような果物があったら、教えますね」

「あぁ」


▲▽


「とはいえ、まさかついてくるとは」

「?」


マスルールさんはよほど私からする匂いを気に入ったのか、買い物についてきた。

今日はマスルールさん自体がお休みで、私も同時に休暇をもらったから適当にお店を見て回ろうかな、と思っていたのだが・・・・マスルールさんが居たらうまいこと動き回れない。八人将のうちの一人というだけあって、人気者だ。

というかなぜついてきた。確かにもう他人行儀を貫くような関係ではないし、一か月も近くにいることが多いとプライベートでも関係はあまり変わらなくなってくる。それでも私は店を回りたいので、なんとかマスルールさんを撒けないかと挑戦してみたが無理だった。まぁそうですよね、私如きがそんなこと出来るわけないですよね。わかってた。

しかしいくら果物を見て回っても、蜜柑らしき果物は見当たらない。マスルールさんも匂いで判別しているのか(実物は見たことがないらしいから)あたりを見渡している。が、見つからない。


「あ、西瓜」


買っていこう。

なんだか見た瞬間無性に食べたくなって、西瓜を買った。どうせもう蜜柑はないだろうし、あとはアクセサリーを見に行かなければ。手ごろな、可愛らしい髪留めとかあればいいんだけど

マスルールさんは相変わらず後ろをついてくる。途中で焼き鳥が売っていたので、なんとなくマスルールさんにも買って、自分も好きなものを注文した。食べながら二人して歩くさまは結構異様な光景だっただろう。でもちょっと、焼き鳥を食べながら後ろをついてくるマスルールさんが可愛いと思ったのは気のせいだと思いたい。


「?そういえば、せっかくのお休みですけど・・・・マスルールさんはすることなかったんですか?」

「ない」

「あぁそうですか・・・・」


まぁ特訓だって休日以外でもしてるし、マスルールさんはあんまり仕事の日も休日も変わらないか。仕事も放りだして寝てたりするし。昼寝するのは休日だけにしてほしいものだ。



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