0712 22
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うつ病を克服したんだと、周りは思っている。
それは確かにそうだ。自傷癖がなくなった。自分の感情のコントロールができるようになった。夜ふかししても特に落ち込むことはなくなったし、外へも気兼ねなく出られるようになった。知らない人と話すことができるようになって、自分を特に卑屈に見ることもしなくなった。前までは鏡も苦手で、自分の顔や体を見るのが死ぬほど嫌だったけど、今では特に気にならない。
たぶん、そういう精神的病は治ったのだろう
でもたまに、無性に命を手放したくなる時があるというか。
「なぁ!次の島に着いたらよ、オレと一緒に出かけような!〇〇!!」
「うん、いいよ。どこに行こうか?」
「どっか行きたいとこねぇのか?次の島にはいろんな店が揃ってるらしいぞ?ナミが言ってた!」
本当は、そんな私にルフィは気づいているのだろう
「迷うな
...ケーキ屋さんとかあるかな?」
「きっとあるぞ!!んじゃ次の島でケーキ食いに行こうな、」
約束だ!
そう言って彼は、何度も私と約束する。何度も何度も約束をさせて、ここからいなくならないように私を生かそうとする。直接的に私が言ったわけでもない。しにたい、なんて、口が避けてもこの人には言えないだろう。
私は、彼の太陽のような笑顔が私に向けられているうちに、いつか終わりを迎えられたらと思っている
だからいつかは、ルフィと約束をして、それを裏切る日が来ると思っている。約束をして、それを果たすことなく私は消えたい。貴方が生きているうちに、その眩いばかりの笑顔を胸に抱えたまま、貴方の死に姿も苦しむ姿も見ることなく一生を終えたい。
幸せなときに、命の終止符をうって、幸せなまま目を覚まさないように。