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- ナノ -
0521 22:52

「あんた、好きな人いるでしょ」

淡々と彼女はそう言った。
私に好きな人なんていないのに、変にその言葉は確信めいていて困惑してしまう。私がいつ、誰を好きになったというのだろう?心外だ。
そうは思うけれど、何故だろうか。今の桐絵ちゃんの前で、下手なことを言ってしまうのは許されない気がした。なにか手遅れになってしまうような、

「ずっと私を追いかけてたじゃない!なんで今更やめるわけ!?今までみたいに私をずっと見てればよかったのよ!!」

「っな、なんのこと、」

「絶対にあいつのところへは行かせない...!あんたが悪いのよ、余所見するから!!絶対逃さないわよ!!」

そういって彼女は、トリオン体の私の両足を一刀両断した。

「捕まえなきゃ...動かないようにしなきゃ...!」

どこにも行ってしまわないように、動けないように、見張らないと