版権2 | ナノ
※現パロで、にょたいライナ
※ルークさんがストーカー
※ストーカーなのになんかさわやかな青春に見える
※※これとこれのつづきらしい
『ルークって、人を好きになったら一途だろうね』
年下の委員長が微笑みながら言うのを見て、その通りだと思った。既に彼はその委員長に恋をしていて、精一杯尽くしているつもりだったから。
委員長の彼女を自分は副委員長としてサポートして、隣で守ってあげられれば幸せだったから。
それが自分なりの一途ということだとルークは思っていた。
……それがただの父性のようなものだったと知るまでは。
恋とは穏やかなものではない。
放課後の教室に眠り姫を見付けたルークは、体に電気が流れたような痺れと共にそれを知ることになった。
一目惚れ、というのかもしれない。
教室で眠る女子生徒に、下校を促すために近付いた。それだけのはずだった。
それなのに、ゆっくりと開かれた彼女の目に、吸い込まれた。
「ふぁ……もう朝?」
「……もう夕方ですよ」
眠り姫は大きく伸びをして、それから壁にかけられた時計に視線を移す。
「そっか」
じゃあ帰るかな、と鞄に手を伸ばす彼女を酷く残念に思う自分がいた。起こさなければ良かった。もっと、ここで彼女を見ていたかった。そんな不思議なざわめきが、五月蝿い。
「風紀も大変だな」
「え」
「こんな時間まで仕事とか……」
自分は帰ってすぐに寝たいくらいなのに、と笑う。
その目に、心の一部が吸い込まれたまま、戻らない。
「じゃあ、また」
彼女の名前はライナ・リュート。
眠ることが大好きで、授業中もよく寝ている。
家はそう遠くなくて、徒歩組。一軒家に住んでいる。
両親は共働きというか、母親が時折パートに出ているらしい。
三人家族。
生理痛は毎月酷いらしく、必ず薬を服用している。
気が付くといつも、ライナを目で追うようになった。
……後をつけるようにもなった。
『ルークって、人を好きになったら一途だろうね』
委員長の言っていたことは当たっていた。当たってはいたが、彼の一途さはもう少しマイナスに近かった。
そんな自身を嫌悪しつつも、やめられなかった。
好きという言葉が免罪符になると思っているわけではない。ただ、彼女を知りたかった。彼女のそばに居たかった。
眠り姫にストーカー
(王子になれる日が来るとは思わないけど)
「大丈夫ですか」
そして、少しだけ近付くのはもう少し先のこと。
END
ルーク視点でもっとストーカーっぽくしよう、と思い書いたものの……なぜかルークさんがさわやかです。個人的にはもっとどろどろしたストーカーが大好きなのですが。
いつか陰湿ストーカールークさんが書けたらいいな(え)
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