版権2 | ナノ
※設定がカオス
(あ)
(また)
(ため息)
ため息を吐く度に幸せが逃げるのだとしたら彼の幸福はとっくに使い果たされているに違いない。はあとか、ふうとか。数え切れないくらいのため息が彼の口から生み出されるのを見てきたからよくわかる。
そのため息を止めてあげられたらいいのに、と思う。せめてため息を吐くと幸福を使い果たしてしまうと指摘してあげられたら。けれど自分の立場を思い出す。ため息。ああ、自分の幸せまで減ってしまった。
せめて同じだったらなあ、と思う。同じ人間だったら彼のため息を止めることができたかもしれない。
(まるで)
(ひとりだ)
(味方がいないみたいに)
(自分だけが味方みたいに)
昔の彼はもっと楽しそうに笑っていたのに。いつしか彼は悲しそうに悔しそうにしてばかり。淋しそうに一人でいる。
バスケを始めたばかりの彼はもっと楽しそうだった。才能を認められ始めた彼はただがむしゃらに頑張った。
才能を認められすぎた彼は、一人になった。
(神様、どうかお願いします)
(僕をあの人の隣に行かせて)
ため息を笑顔に
(変えられる存在になりたいのです
2010.07.10
黒子が何なのかはご想像にお任せします。
普通のものが書けないのはどうしてなんだろう
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