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それは貴方に捧げる恋愛小説(いえす!・ムカスコ) [ 16/196 ]

仕事がしたい、とスコルプが口にするとムカーディアは悲しそうな目をした。



スコルプとムカーディアは一緒に暮らしていた。一応、恋人という関係にもなっているし、ムカーディアが一緒に暮らしたいと言ったから、そうした。もちろん自分もムカーディアと暮らしたいと思ったからこそではあるが。
お互い死んだことになっているためエターナルから隠れなくてはならなかったから、外出はあまりできなかった。お互いの貯金でしばらく食いつないでいけばいいだろう、となった。
やがてエターナルはプリキュアにより、無くなった。
では仕事を探そうかと思い始めたころ、ムカーディアが投稿していた小説が見事大賞に輝き、彼のデビューが決まる。
妙に器用な男だ。しばらくは家事をスコルプに任せたいと申し訳なさそうに告げたので快く引き受けた。

とはいえお互い家事と仕事にも慣れてきたし、スコルプが仕事を始めても良い時期だろう、と思ったのだが……


「ダメです」
「……何故だ」
「だって……僕はスコルプさんといたいから、作家になりたかったんですよ。それに、もしまた貴方に何かあったら…」


だから、悲しい目をしたのか。


「……危険な仕事はしない」
「心配です」
「…………お前に養われているのはどうも、嫌だ」
「いいじゃないですか。お嫁さんってことで」
「やめろ」
「僕が貴方の分まで稼ぎます」
「……体、壊すだろう」
「……スコルプさん」


それからムカーディアは何かを思い付いたように頷くと、笑った。


「じゃあ、僕も一緒の会社で働きます」
「は」
「さっそく仕事探しに行きましょう」
「え」
「ほらほら……あ、先にスーツ買いましょうか」
「小説はどうするんだ」
「言ったでしょう、スコルプさんと居たいから書いたんだって」







それは貴方に捧げる恋愛小説
(あなたといるためだけに書いただけの)






すごく偽者です。スコルプさんの喋り方が怪しい。モモーイさんもやはり怪しい。
この後二人はなんやかんやでブンビーさんの会社に入ればいいと思います。なんやかんやで。


2010.07.09

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