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むつごのおわり(一カラ)
2020/05/21 04:19


僕がカラ松を好きになったのがいつからだったのかなんて考えてもよくわからないしもはや今となってはどうでもいいことなのかもしれない
僕は物心ついた頃にはもう六つ子の1人に恋をしていたし将来お嫁さんにしてやるんだと息巻いていたなんていうかおませさんだったので
その夢を誰にも口にしたことがないという事実が有難くも僕を自殺に追い込むことなく生かし続けているので幼い自分を褒めてやりたい
ああそれでなんの話だったかなそうだ僕がお前を閉じ込めた理由を話してやろうと思ったんだけどまあつまり僕がお前を好きだからだ
僕はずっとお前を好きだったのにお前はよそ見ばかりしてそれで僕に好きな子ができたなんて嬉しそうに報告するものだから酷いね
そのたびに僕は好きでもなんでもない女に告白しては付き合ってまた別れてを繰り返したわけでだからぜんぶお前のせいなんだよ
僕は臆病で屑でダメ人間だからお前に気持ちを伝えるなんて絶対にできなくてただお前に憎まれる唯一になろうと必死になって
それなのにお優しいお前ときたら俺を睨みつけもせず「やっぱり気が合うなあ」なんてへらへら笑うからいちいち腹立ったよ
お優しいお前に唯一憎まれてお前の心に刻まれることさえ許してもらえないなんて酷いけどまあゴミには当然の仕打ちかな
だけどさあ兄弟だし愛してもらえないなら憎んでもらうしかないって中二病真っ盛りの俺は思い込んでたわけでしてねえ
お前は俺の気持ちなんて欠片も知らずにやれ彼女ほしいとかオザキになりたいとか痛いことばかりして過ごしてたけど
じゃあ僕がお前を嫌えばお前も僕を嫌うんじゃないかと思って色々してみたけどまったく効果はないし万策尽きたの
それでまあ最後の手段として一生お前の心に住み着けるだろうけど一生兄弟に戻れなくなる方法に手を出そうかと
ここまで言えばわかってもらえるよな幾ら激ニブなお前でもいいかげんわかるよね流石に危機感もあるよなあ?
ん?猿轡外してほしい?だめだってたしかに声は聞きたいけどやっぱり助け呼ばれると萎えるしせっかくだし
こんなシチュエーションも悪くないでしょオニーチャンだって興奮するでしょ?俺に縛られて組み敷かれて
僕はまあそりゃ興奮してるけどやっぱり体だけじゃなくてちゃんと心も欲しかったかななんて思いもして
ちゃんとお前が僕を憎んで特別な存在にしてくれていればこんなことにはならなかったかもしれないよ
まあわからないけどね僕だってやっぱりどうあってもカラ松のすべてを欲しがったかもしれないから
むかしのおれたちならカラ松でも一松でもなくてただの六つ子のカケラが二人いるだけだったのに
いつからこうしてそれぞれが意思を持って歩き出して僕だけが道を踏み外してしまったのだろう
あんたなんて大嫌いだ僕のことちっとも見向きしないくせに簡単に信頼してるとか言ってくる
どうせあんたが知ってる僕は六つ子のひとりでこんなドロドロしたきもちも知らないんだろ
僕だって戻れるならあの頃に戻りたかったよ兄さんをただ素直に兄として好きだった頃に
それでもどうしてもできなかったんだアンタはこんな苦しみ想像もできないだろうけど
ねえ覚えてる僕にこんなひどくてつらいだけの呪いをかけたのがいったい誰だったか
こんなゴミクズに過ぎなかった幼い僕に優しい言葉で呪いを刻んだのが誰だったか
一人きり膝を抱えて泣いていた僕をわざわざ見つけだして頭を撫でてくれたのは
「なあ一松お前は自分をゴミクズと言うがそう言われてしまったら俺が困る」
「そう言われてしまったらそんなお前を愛するやつはどうしたらいいんだ」
「俺はお前がゴミクズでも好きだけどそれは好意に対して失礼でないか」
ねえあんたが僕をこんな風にしたんだから勿論責任とってくれますよね
僕はゴミクズのままでよかったのにあんたが不用意に優しくしたから
だからこんな風にゴミクズが調子に乗って邪な気持ちを持つんです
あんたも少しは過去の自分の行動を反省すべきじゃないですかね
ねえ一体どうしたらこんな僕に同じ愛を返してくれるんですか
そんなこと今更あんたに言っても無駄だってわかってるけど
それでも夢見ちゃうんですあんたと幸せになる未来なんか
馬鹿らしいだろ僕だってわかってるこんなことやめたい
だからさお願いだからもっと嫌がって泣いてあばれて
そしたら僕はあんたに触れることなくあんたを諦め
この恋を終わらせることが出来るんじゃないかと
じゃあこれがあんたにとって最後のチャンスだ
猿轡外したげるから僕を拒絶したらいいのさ
ほらこれが元の兄弟に戻る最後のチャンス
あんたが拒絶できないなら僕は抱くから
そしたら兄弟になんてもどれないから
ほんとはさ僕もどうしてほしいのか
わからなくなってきてるんだよね
愛されたいのともどりたいのと
愛したいのともどれないのと
ぐちゃぐちゃになってから
もうなにもわからなくて
ただあんたがほしくて
拒絶されたくなくて
拒絶してほしくて
ゆるされたくて
ねえたすけて
どうしたら
にいさん
すきだ
すき



























ふー
けほっ
ごほごほ
あーあーっ
水、サンキュ
そんな顔するな
拒絶なんてしない
話?ああ聞いてたぞ
お前の熱い告白だろ?
だからそんな顔するなよ
俺がお前を振る必要ないさ
だって俺もお前が好きだから
なんだその顔、可愛すぎないか
だから俺もお前が好きなんだって
いつから?まあずっと前からだけど
やっぱりうんと小さい頃からかと思う
あ、お前がさっき言っていたことだけど
あれは幼い俺なりの告白ともいえるもので
すぐ自分を卑下するお前が悲しかったからだ
俺が愛するお前をゴミクズと言われてしまえば
それならお前を愛する俺はどうしたらいいのかと
だからそれがお前のハートを射止めたならナイス俺
そうとしか言いようがないな!実に素晴らしいことだ
責任?喜んでとるさお前に好きになってもらえるならな
「信じられない」そうだろうか俺はずっとお前だけ見てた
「うそつき」嘘なんてつかないさ俺はお前だけ愛し続けてる
そういえば手は縛ったままなんだ別に逃げも隠れもしないのに
突き飛ばしもしないしむしろお前をぎゅっと抱きしめたいくらい
なのになあ「だめ」拒絶してほしいとも言っていたくせに変なやつ
なあ俺は一松のことずっとずっと好きだったよ片時も変わらなかった
「好きな子ができたって」そういったら一松がどうするのか気になって
ふーんなんて興味なさそうに言ってたけど翌週にはその子と付き合ってた
だから一松は俺のこと好きなのかもしれないって自惚れてしまったんだけど
でも勘違いかもしれないし本当は俺が大嫌いだから嫌がらせしたいのかもとも
考えたらきりがなくて、また好きな子ができたと言ったんだそしたら一松はまた
考えても考えてもわからなくて、それでも馬鹿な俺にもわかったことがあったんだ
もし一松が俺のことを好きじゃないとしても少なくとも何らかの感情を抱いてること
嫌いだとしてとそれはある種特別な感情でつまり俺は一松にとって特別なんじゃないか
好きでもない子と付き合うお前を見ながらそんなことを思っていたんだひどい兄貴だよな
でも俺たちもずいぶん遠回りしたと思わないかどこかの少女漫画でも見ない展開じゃないか
最初から両思いだったのにこんなにねじれて解けなくなってしまったんだから今更戻れないさ
なあ一松俺にお前を抱きしめさせてそれから好きって聞かせてそしてそのまま朝までずっと2人
にどとただの六つ子のうちのふたりに戻れなくなるまでずっとずっと一緒にとけあおうじゃないか








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