最近気になるアレ(レファライ♀)
2011/03/24 00:47
※学パロ
※ライナ女体化
幼馴染みの少女はよく眠る子だった。
昔からすぐに眠ってしまう彼女をおぶってやるのは自分の役目だった。年下の女の子とはいえたった1つしか違わない彼女を背負うのは大変だったけれど、それはたしかにレファルの役目だったのだ。他の誰かに任せるわけにはいかないというか。そもそも幼馴染みの面倒を見てやろうなんて奇特な人間はレファル以外にはいないはずだったから。仕方なく眠る彼女を隣家まで送り届けた。
彼女は呆れるほどに睡眠を愛していて、レファルが彼女を運ぶ回数はいつまで経っても減らなかった。
高校生になってもこれはどうなのだろうと思うけれど、彼女は変わらない。
教室で眠る彼女は寝癖をつけて、全然女の子らしくなんかないけれど。それでもやっぱり女の子で。女性に近づいていっているのはレファルがよく知っていた。
だって昔はもっと重かったのに。最近はとても軽くて。こいつはちゃんと食べているのだろうかと不安になる。彼女の家族をよく知っているから、その心配は無駄だとわかっているのに。
こんなところだけ無駄に女の子にならなくていいのに。
もっと食え、とプリンを買ってやったら寝てるから食べさせろなんて言ってくる。
甘やかしすぎたのだろうか。眠る彼女の口もとに甲斐甲斐しくスプーンを運んでいるとやってきた友人に呆れられた。下級生のクラスに来て何してるんだお前、なんて。たしかに何をしてるんだろう。
昔からずっと一緒にいたから、彼女が高校に来たからやっぱりクラスに入り浸っている。一人にすると心配だから。おそらくずっと教室で寝ているだろう。流石に女の子がそれでは危ない。
「レファルがそんなんだからライナに彼氏が出来ないのよ」
クゥはそう言って怒るけれど。だったらお前にライナを背負えるのかと聞きたい。
背負えそうな気がするし、そんなことしないで叩き起こす気がしたけれど。
けれどそれにスイが苦笑するのを見ると、やはり自分はライナに悪いことをしてしまっているのかもしれない、と思う。まあ彼氏が出来たら役目を譲ってやればいい。どこでも眠る彼女をどこまで面倒見切れるか……きっとできっこない。
だったら自分がずっとライナの面倒を見るのだろうなと思う。
そもそもこんな、寝癖をつけた女の子に告白する男なんているのだろうか。いたらちょっと見てみたい。ライナのどこを好きになったのか、納得できる説明が欲しい。そうでなければライナを任せることなんてできないだろう。
「誰になら任せられるんです?」
呆れたようにリーズが言う。
少なくともお前には任せられないかな、なんて。だってリーズは昔から決してライナを運ぼうとしなかったから。
そう告げると変な顔をされた。
「無自覚か」
「は?」
「いえ、別に」
リーズもスイもクゥも呆れたようにため息を吐く。言いたいことがあるならハッキリ言えばいいのに。眠る幼馴染みの寝癖を手で直してやりながら思う。
じゃあ俺が貰おうか、とライナに伸ばしかけたリルの手をはたく。
「お前は絶対駄目だ」
そもそも今冗談で言っただろう。
放課後だというのにいつまで経っても起きないライナの周りでガタガタしていると、ようやく彼女が目覚めたらしい。
「ふあ……何だよお前ら」
「お前が起きるの待ってたんだろうが」
ライナはしばらく欠伸をしていたが、ふらふらと立ち上がると、ぽふり。
「あーあ、ライナ」
座っていたレファルの背中に抱きつくようにして眠り始めた。
「おい、背負ってやるから一回起きろ」
「む……もうちょっと」
「起きろ!」
リーズたちはそんなやり取りをしばらく見守っていたけれど、やがて飽きたのか、先に帰ってしまった。
遠慮なしにぎゅうぎゅうしがみついて眠るものだから……最近気になるあれが…………あれが……
「起きろ!!」
誰もいない教室に響くレファルの叫び声を、廊下で聞きつけたリーズたちが笑っていた。
最近気になるアレ
(胸が当たってるんですがどうしてくれるんですか)
ちょっとレファルそこ代われ
レファルさんひたすら無自覚です。レファルさん無意識に他人を牽制してます。
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