『アンタ本当気持ち悪いね。』
「えぇ〜そう〜?」
そうだよ、だって私はこんな気味の悪い奴アンタ以外知らないよ。
鶴町伏木蔵、大川学園高等部1年2組、保健委員。こいつはとんでもない変態だ。人の身体を解剖したいとか、目玉をホルマリン漬けにしたいとか、時には私に蹴られてみたいなどお前頭大丈夫かと心配されるようなこともサラッと言う。私はこいつの将来が心配だ。
「苗字さんが僕の心配だなんてすごいスリル〜。」
ほら、またスリルだのなんだのって。意味が分からない。
『アンタの心配っていうかアンタと関わる人間の心配だっつの。アンタは心配なんかしなくても何処でもやってけそうじゃん。図太そうだし。』
「そうだね〜苗字さんが僕に解剖されてくれたらもう満足だから他の人が犠牲にならなくて済むね。」
『解剖なんて真っ平ごめんだから。まずアンタが頭の治療した方が良いんじゃない?』
「やだよ、僕から変態を取ったら何が残るわけ?」
『個性のない根暗男になるね。てか根暗が個性だと思うよ。』
「実は根明なんだ。」
『あぁ、アンタ割と自分大好きだよね。』
「自分のことが好きで悪いなんてことはないと思うんだよねぇ。」
『アンタのその見た目からしてナルシストなのが意外だって言ってんのよ。』
こいつと話すといつもこうグタグタと中身のない話が続く。加藤みたいな馬鹿と話していてもそれは同じだけどこいつは何ていうか、こう、表現できない気味の悪さがあるというか。
『本当、アンタ気持ち悪いね。』
特に意味のない話。
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