筋肉痛



「なあ、少佐って、筋肉痛になったことあんの?」
 もりもりとシチューとパンを頬張りながら、エドワードはアームストロングに尋ねた。
 ちなみにここはお昼時の軍食堂である。エドワードの対面に座るアームストロングに、彼の周辺に座る軍人たちはどこか狭苦しそうにしていることを追記しておく。
 アームストロングはキラン、と星を一つ出し、頷いた。
「うむ。この鍛えあげた筋肉を作るには、それ相応の代償が必要であった」
「ふーん、やっぱ少佐でも筋肉痛ってあったのかー。あれ、地味に痛いよな〜」
 スプーンをくわえたまま呟くと、アームストロングはカッと目を見開いた。
「むむっ、エドワード・エルリック! あれしきの痛み、痛みと数えるまでもないものよ!」
「だああっ、こんなとこで脱ぐんじゃねーッ! 周りに迷惑だろうが!」
「問答無用! 立つがよい、エドワード・エルリック! 筋肉を為す過程の筋肉痛の素晴らしさ、我輩が教えてやろう!」
「え、遠慮するよ……って、ぎゃーッ!?」


 エドワード・エルリック、アレックス・ルイ・アームストロング両名を中心とした食堂の一角は、その後壊滅状態に陥ったのだった。



2010.6.16


 
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