「足を揺らすのはやめたまえ、鋼の」
「てめーに指図されたかねえ」
「みっともないだろう」
「そういう大佐こそ、貧乏ゆすりはやめろよ」
「何? 私はそんなことをしていたのか」
「無自覚かよ!」
「ふん。今日はずっとデスクに張りついてるんだ。貧乏ゆすりくらいしたくなるだろう」
「開き直りやがった……」
「開き直る? 私のどこが開き直っているというのかね」
「それがだよ! 人にはみっともないとか言っといて、いい大人が卑怯くせえぞ!」
「それはそれ、これはこれだ」
「ムキーッ!」
「ハッハッ、怒るな怒るな」
「大体さ、いつまで待たせるつもりなんだよ! 俺たち、二時間もここにいんだぜ?」
「仕方ないだろう、中尉が帰ってこないんだから。中尉に無断で外出してみろ、あとが怖い」
「いい加減、中尉に愛想尽かされたんじゃねえの?」
「それはない!」
「どこから来るんだよ、その自信」
「きみがロックベル嬢に愛想を尽かされないのと同じ理由からだ」
「バッ……なんでここでウィンリィの名前が出るんだよ!?」
「ハッハッ、照れるな照れるな」
「照れてねーッ!」


(兄さんと大佐、楽しそうだなぁ)
 昼下がりの東方司令部。
 所用やら休暇やらでロイ以外残っていない執務室で、エドワードとロイを観察していたアルフォンスはそう思った。


仲良きことは



2010.5.31


 
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