※ちょっとあぶないです!
(白龍side)
「うぅ…にぃさ…もう無理だよぉ…」 「大丈夫だって」
とある部屋の前を通った瞬間に聞こえた声。なんだか少し危なさそうな雰囲気に思わず足を止め、扉を見た。……青舜の部屋…だと…? 聞こえた声は恐らく青舜と青珱だろう。二人は兄妹だ。同じ部屋にいてもなんらおかしいことではない。
「そんな大きいの、入らないよぉ…」
……………待て
「ちゃんと入るから。ほら、手伝ってあげる」
待て待て待て待て待て!!! 何をしている!?お前たちは一体何をしているんだ!?
危なそうがアブナイに変わったと理解した瞬間、俺の体はまるで廊下に縫い付けられたかのように動くことができなくなった。 ちょッ…えッ!?動けない、だと!?金縛りか!?こんな真昼間から金縛りなのか!?いやいやいやそれよりこいつら兄妹だろ!?何してるんだよッ!!そもそも姉上に何て説明すればいいんだ!!青珱!俺は近親相姦だなんて許さないぞ!!
「う…も、むりぃ…!」 「青珱、ほら、ちゃんと…」
そんな俺の思いとは裏腹にどんどん危な気を増していく二人の雰囲気。 頼むから…!!
「ッ〜〜〜〜!!!」
そして俺は扉をはっ倒した。
「破廉恥なッ!!!!」
「「………へ?」」 「え?」
思わずバンッと扉を開けたはいいものの、そこには想像していたものと全然違う光景が広がっていた。 青珱が涙目で恐らく鞄であろうものに大きな書物を青舜と詰め込んでいる図。
「……えッ?」 「皇子ぃ…!聞いてくださいよぉ!私の荷物にあんな大きい書物入らないって言ってるのに無理やり詰め込もうとするんです…!」 「……えッ!?」 「何言ってるんだ。青珱が読みたいって言うから入れるスペースを確保しようとしたのに」 「入らないしいいよぉ…!」
荷物……荷物整理、か…… ああ、そういえば研修は三日後だったな……
………え、俺の勘違い?
「…?皇子?どうしたんですか?」
「……………う、」
「「う?」」
「うわああああああああああああああああああああああああああ」
恥ずかしい恥ずかしい!!ただの荷物整理なのに俺はあんな…あんな勘違いをするなんて…ッ!!よく聞けば分かったじゃないか!!いややっぱりわかんなかったッ!!あれは絶対勘違いするって!!
如何わしい勘違いをしてたなんて………言えないッ!!!!!
「…皇子どうしたんだろ」 「そっとしておこう(勘違い乙です皇子)」
‐‐‐‐‐
その後中庭の隅で打ちひしがれる白龍皇子が目撃されたらしい(by 通りすがりの侍女)
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