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眠るきみに秘密の愛を※




「シュエちゃん、まだ目を覚まさないの?」

「はい…………」


宇宙潮流から脱出して3日。湖に溺れたおねえちゃんはまだ目を覚まさない。このままおねえちゃんが目を覚まさなかったらどうしよう、だなんて考えがぐるぐると頭に渦巻く。


「悟飯、そろそろ休めよ。お前全然寝てないだろ?」

「…大丈夫、おねえちゃんが起きるまで、ぼくはここにいます」

「…俺たちは寝るけど、お前も寝ろよ?」

「はい」


ぱちりと消された明かりに室内が静寂に包まれる。ぼくは近くから毛布を引っ張ってきて、おねえちゃんが眠るすぐ近くに蹲った。


「おねえちゃん…」


そっと頬に手を添える。すべすべしてて気持ちいいけど、少しひんやりしている。クリリンさんたちはもう寝たようで、すやすやと寝息が聞こえた。
お願いだおねえちゃん、早く目を覚ましてよ。おとぎ話でよくある愛する人からのキスで目覚めるのなら、ぼくがいくらでもするから。だってぼくはこんなにもおねえちゃんが大好きなんだ。胸が張り裂けそうなくらい。だから、だから…

おねえちゃんの頬に手を添えたままもう片方の手を顔の横に付ける。そしてそのままおねえちゃんの柔らかい唇に吸い付いた。


「ん…おね、ちゃ…」


一度離し、今度は深くもう一度口付ける。
ねぇ、おねえちゃん早く起きて。そんでもってぼくをぎゅって、肺が潰れるくらい抱きしめて、ぼくの耳元でもう大丈夫だよって囁いてよ。

そんなことを思いながらぼくはそっと目を閉じた。






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