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幸せってつまりこういうこと



結局ナメック星に行くのは私と悟飯とブルマさんとクリリンさんということに決まり、後日カメハウスに集合という号令でお開きになった日から数日。
ようやく私やクリリンさんや悟飯の退院日がやってきました。


「じゃあお父さん、先に家に帰ってるね」

「おう!ドラゴンボールのこと、任せたからな」

「「はい!!」」


牛魔王のおいちゃんが運転する車に乗ってパオズ山に向かう。道中お母さんが本屋さんで宇宙船でやる用にドリルをたんまりと買い込んだり、ちょっと生地屋さんに寄ってもらって布を買ってもらったり、ご飯を食べたりしてこの日一日はとっても楽しかった。
この1年間の出来事を(ところどころ端折りつつ)喋ったり、まぁ、当然ながらお母さんはピッコロさんに対してブチ切れてたけど。

1年間、辛いこともたくさんあったりしたけど、楽しかったし、ピッコロさんにはすっごく感謝してる。けど、やっぱりこうやって家族一緒にいられることが私は一番嬉しいかな。お父さんも早く退院して、ナメック星のこともさっさと済ませて、家族全員が揃えばいい。


「おねえちゃん、お風呂一緒にはいろ!」


家について一生懸命に型紙をこさえていると、唐突に悟飯が部屋にやって来た。


「いいよー。私用意するから、先に入っててくれない?」

「わかった」


部屋を出て行った悟飯を横目に床に散らばったものをベッドの下に押しやってお風呂の用意をする。えー、パンツどうしよう…お母さんいつも子供っぽい可愛いの買ってくるからなぁ。実際の精神年齢とのギャップが激しいよ。まぁいいや、普通にしとこっと。

自己解決した私は脱衣所に入って服を脱ぎ捨て、風呂場のドアを思いっきり開け放った。


「おっまたー」

「うわぁ!!び、びっくりした…!」

「あ、ごめん」


頭を洗ってたらしい悟飯は驚きからどしんッと椅子から滑り落ちた。ちょっと笑ってしまったのは内緒にしておこう。
悟飯の隣に腰かけてさっさと体と頭を洗ってしまう。私風呂めっちゃ早いんですよ。30分かからないくらい。え、ちゃんと洗ってるよ?


「ねぇ、おねえちゃん」

「うん?」

「えへ、呼んでみただけ」


湯船につかりながら悟飯が照れくさそうにはにかんだ。何この子超可愛い。呼んでみただけとか天使かよ私死んじゃう。
ぐわぁあ…!と内心で悶々としてるとこてん、と悟飯が私の肩に頭を乗せた。ギャンワイイ。


「こうやっておねえちゃんと一緒にいるの、嬉しいなーって思って。ね、お風呂あがったら一緒に寝よ?それで、お母さんたちに内緒でこっそり夜更かししようよ」

「え…」


悟飯の言葉に目を見開いた。だって、今悟飯が言ったのって…


「ぼく、うっすらとだけど覚えてるよ。化け物になって、サイヤ人を殺そうとしたことや、おねえちゃんがぼくを止めてくれたこと。家に帰って、お腹いっぱいお母さんの作ったご飯食べて、一緒にお風呂入って、一緒にお布団に入って、こっそり夜更かしをする。本当に嬉しかったんだ。あんな姿になっても、おねえちゃんはちゃんとぼくを見てくれたから」

「悟飯、」

「だからね、ぼく頑張るから。強くなって、今まで守ってくれたおねえちゃんを、今度はぼくが守ってみせる」


その前にナメック星で何もなければいいんだけど。
おどけたように言う悟飯に開いた口が塞がらなかった。正直大猿になった悟飯はベジータの時と違って何も覚えていないと思っていたから。私が言ったことをこうも覚えられてるなんて…
うーん、照れくさいなぁ…
ふ、と笑ってわしわしと悟飯の頭をなでくり回した。


「わッ!!お、おねえちゃん!?」

「悟飯のくせに生意気だぞ!弟は弟らしく、おねぇに守られていればいいの」

「そ、そうはいかないよ!!だって、もうおねえちゃんを傷つけたくないんだもん…」


ひぃいい…!!聞きましたか全国の奥さん!!悟飯がこんな可愛いことを言ってくれました嬉しい可愛いまじプリチー!!
ぷっくー、とむくれる顔なんてハムスターみたい可愛い!!え、何これどうしたらいいの?ウォッチから召喚すればいいの?

ひとしきりなでまわした後、ふぅっと呼吸を落ち着かせて悟飯に向き直った。


「でもまぁ、いつか悟飯が私を守ってくれるの、楽しみにしているよ」

「…!」


にっこりと笑ったら悟飯が顔を真っ赤にして湯船に沈みました。え、ちょっと待って気持ち悪かったからってさすがにそれはないでしょ。
泣くよ!?






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