僕の知らない世界で
人は死ぬとどこに行くんだろうって、いつも思ってた。
無難な考えは、 閻魔大王のところで裁判を受け、天国か地獄かを決められるとか。
私的には、死んだら肉体も魂もその瞬間に滅びてしまうんじゃないかと思うのだけど。
あ、輪廻転生っていうのもあるよね。魂が何度も巡るやつ。
死んだら別のものに生まれ変わってたり、逆に同じものだったり。
つまり、何が言いたいかというと…
「悟空さ、シュエちゃんが起きたのならミルクを飲ましてやってほしいべ」
「えぇ!む、難しいな…どうやって抱えりゃいいんだ?」
「こう、首を支えて…そう、悟空さが怖がっちゃなんねぇぞ。シュエちゃんが不安になっちまうだかな」
「お、おう…こうか?」
「そうそう!悟空さ上手いべ!」
恐る恐る私の口元に哺乳瓶を近付ける父親と思しきこの人。孫悟空。
私、死んだ記憶がないのにドラゴンボールの世界に転生しちゃったみたいです。ちなみに言うと生後1週間くらい。名前はシュエです。
当たり前ながら戸惑ったよ。起きた瞬間、なんか目の前に見たことある人がいるんだけどとか思いながら絶叫(はたから見れば号泣)したし。
でも、こういうのって順応性が大事だと思うの。もう一度、しかも普通に前の記憶がある状態で赤ちゃんをやり直すだなんて精神的にもかなりアレだけど、頑張って割り切ろうと思います。
「うぁー」
「!ち、チチ…!シュエが、シュエが喋ったぞ…!」
「唸っただけだべ?もう、悟空さったら」
洗濯物を畳みながらおかしそうに笑うチチさん、もといお母さんと、ぎこちないながらもしっかりと私を抱っこする悟空さん、もといお父さんが嬉しそうにしているのを見て、まぁ、このままでもいいか、だなんて思い始めた午後4時のこと。
何はともあれ、戸惑うよりも先にこの現状に慣れようと思います。
(そういえば私、この人たちの子供ってことはサイヤ人のハーフってこと…?)
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ずっと前から考えていた物語を、ようやく出そうと決意しました。
悟飯ちゃんがいつみてもプリチー族すぎてほんとつらい…!
早く悟飯ちゃんを出したいです。
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