酒の力を借りて幾分か素直になった彼は赤い頬を隠すことなく、私の体全体を包むようにぎゅうっとしがみついてきた。緩んだ口からは好きだの愛しているだの、普段なら言わないような言葉が次々と出てくる。少しばかり不気味で恐怖を覚えたが、恍惚とも取れるとろりとした瞳が愛らしい。こうやって甘えたいのなら、いつだって甘えて来たらいい。私がそれを拒むわけがないのに。未だ閉じようとしない唇を、親指で押さえつける。今までだって何度も愛でた柔らかい唇。ギリギリまで距離を縮めると、彼は私の後頭部を掴み、唇をくっつけた。少し唇を開けば、待っていたかのように口内に侵入してくる舌。ぴちゃぴちゃと淫らな音がして、どうにかなってしまいそう。アルコールの匂いさえ除けば、お酒も悪くないものね。