お前は俺の運命なんだ。この先お前の前に現れるどの男よりもお前を愛してる。歯の浮くような台詞をよくもまあ言えたもんだな。どうしてしまったんだ俺は。両手いっぱいに収まりきらない程大きな薔薇の花束を捧げれば、俺を心から好きになってくれるだろうか。花が好きだって、薔薇が好きだって言ってただろ。その中でも炎より赤い薔薇が好きだって。物で釣れると思ったら大間違いだと叩き落とされるだろうか。それとも受け取った後捨てるのだろうか。ああそういえば花は好きだが枯れていくのが寂しいとかなんとか言っていたな。だったら造花がいい。いや、造花は枯れないからずっと同じだと飽きるだとか言っていた。なんて我儘な女。本当は花なんて、好きじゃねぇのか。俺にその話をしたのは、少しでも俺と一緒にいたかったから。そう考えても良いのか。それとも、お前は俺を花に喩えているのか。だったら最悪だ。枯れるか飽きられるかなんて。でも俺はここから出られないし家に帰る気も更々ない。贈り物など最初から無理だったのだ。俺は今日もお前から与えられるだけ。