嘘だ、嘘だ。あいつが俺に許さなくて他のどうでもいいような男に許すなんて嘘だ。嘘に決まっている。例えその光景を目の当たりにしたとしても嘘だと思えばそれは嘘に違いない。だからあれは嘘なのだ。俺の脳内で作りだしたとんでもない幻覚なのだ。馬鹿、俺がそんなことを考える訳がねぇだろ。じゃあなんだ、あれは本当だったのか? まさかそんなはずはない。なんてひどいやつ。あいしているのに。