「とむくん」
「…………」
「お返事は」
「…………」
「とむくんってば」
「…………」
「こっちむいて」
「…………」
「きらい」
「嘘だ」
「おお返事した」
「嘘だ、嘘だろ。お前が俺をきらいになるわけない」
「嘘だよ」
「……俺に嘘ついたのか」
「うん」
「俺はお前に嘘ついたことないのに」
「でも私のことをいつも疑ってる」
「なんだよ、お前が悪いんだろ」
「私はとむくんから離れていかない」
「当たり前だ」
「だから、とむくんはもっと安心して、僕のことしんじてよ」
「……努力する」
「ありがとう」






「そういえばお前」
「なに」
「いくつなんだ」
「なにが」
「年齢だよ」
「女性に年齢を聞くなんてどういうことなの」
「別に良いだろ年齢くらい聞いても」
「…………」
「教えろよ」
「いやだ」
「俺に秘密を作るのか」
「文句でもあるの」
「何でキレてんだ」
「別にキレてない」
「じゃあ、誕生日はいつだ」
「忘れた」
「今年で何回誕生日を迎えた?」
「言い方変えて誤魔化されると思ってるの」
「チッ……」





「とむくん、離して」
「いやだね」
「無理矢理引き剥がすことになるよ」
「なまえはそんなことしない」
「する」
「しない」
「する」
「しない!」
「何でそう思うの」
「お前が俺を大事にしてるからだよ」
「むしろ大事にしてるからこそ引き剥がそうとしてるのに」
「何でだよ」
「今から口に出すのもおぞましいような場所に行くからだよ」
「俺も行く」
「死んじゃう」
「だったら守れ」
「プライドないの」
「ない」
「(くそう可愛い……でも連れて行くわけには……)」