俺は佐藤。永遠の高校三年生。だからといって、別に頭が破滅的に悪いとかピーターパン症候群だとかではない。ただ、永遠に歳を取らないだけ。そう、俺は死んでいる。

俺が死んだのは丁度3ヶ月前の水曜日の放課後のことだった。横断歩道を歩いていた俺は、居眠り運転のトラックに撥ね飛ばされて即死。それが俺の呆気ない最後である。

俺にはまだやりたいことが沢山あった。だって俺はまだ18歳になったばかりで、まさか車に撥ねられて死ぬだなんて思ってもいなかったんだ。

毎日を後悔なく生きましょうなんて言ったって、本当に実行できている人は現実にはどれぐらいいる?少なくとも俺は自分の人生に後悔ばかりだったし、自分の死を納得する事も受け入れる事もできなかった。

でも、もう3ヶ月だ。3ヶ月も経てば人は人の死を過去として捉えられる。俺はそれを実際に見て、知った。さすがに家族は俺の遺影を見ては涙ぐんではいるけれど、でもそれだけだ。

クラスでは俺のいた筈の場所は他の誰かによって埋められ、楽しそうな笑い声が響いている。最初はそれが悲しかったし、薄情ものと詰りたくもなったけど、今じゃそれも仕方の無いことだと感じている。

だって俺は死んで、もう二度と甦ることもない。この世界の住人ではないのだ。だから、いつまでも未練たらしくここを彷徨っているわけにはいかない。そう分かっているのに、俺はなかなか成仏できないでいた。




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