デッサン人形 | ナノ
とても読むのが面倒臭そうな文ですw。
(『小説カキコ』サイトにて掲載。2009/12/04 18:58。)




私はデッサン人形のようなものだ。
そう考え、私は嘲笑を浮かべる。
私はモデルで、女優の仕事をしている。人気も、高い。
「お人形さんみたいね。」と、言われた。
それほど私の顔が美しいという意味だろう。
可愛いという意味だろう。
でも、可愛いリカちゃん人形だとか、そんな「お人形」なんて良いもんじゃない。
形をとるだけの、自分の顔なんてない「デッサン人形」。
台に留められ続け、自分の意思で歩むことすら許されない。
そのくせ私は360°、どこにでも体がまわる。
私の体の全てが、釘とバネでとめられている。
私の体は宙に浮き、台にすら足がつかない。
私には削られ、焦げた跡と木目がある。
   傷もある。
私はデッサン人形。
自由に動くことも、ままならず。
私はデッサン人形。
他人のためだけに動き、動かされ。
私はデッサン人形。
模範であるために台に留まり続けた。
私はデッサン人形。
私は、デッサン人形ではあるけれど。
せめて、サイゴくらいは私の『意思』。
 『心』を認めて。
私はデッサン人形。
永遠に、変わらぬまま。
私はデッサン人形。
私は、かわれない。
私はデッサン人形。
思い通りにならない人形は「捨てられる」。
私はデッサン人形。
それはきっと悲しいことだったろうから。
「私」は、「私」。
自分の意見を言った。
「私」は呟いた。
  「・・・でも、ね。」
私は、デッサン人形。
つかれた私は、人形になることをやめました。


でも、私は捨てられたくはなかったから。

「自分」で「自分」を、すてました。


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