マスター? | ナノ
地の文少なめ。


「ま゛、マ゛ス゛タ゛ー・・・。」
青白い顔色に、ゾンビのような手つきでKAITOは家の中を彷徨っていた。
近くに居たMEIKOに声をかける。
「わっ!?デスボイス!?」
「ぢ、違ぅ・・・なんか、喉のぢょうじが・・・ゲホッ。」
「風邪かしらね・・・私たち殆どが人間そっくりのつくりだから。」
MEIKOは気遣わしげな視線でKAITOを見ると、取り敢えず寝室で寝ているように薦めた。
「うーん・・・こういう時どうするんだっけ?氷のうで殴る?アイスを全身にぶっかける?」
「どうしたの?お姉ちゃん。」
ネギ素振りの稽古を終え、一汗かいたミクがMEIKOに近寄る。
「ああ、KAITOが風邪ひいちゃったみたいで。こういう時ってどうすればいいのかしら?」
「それならねえ!このネギを思いっきりピー穴にぶっさせば・・・「オイオイ、何物騒なこと言ってんだ?」
「あら、マスター。おかえりなさい。」
「ただいま・・・まさか、おれにぶっさそうってわけじゃないよな、ミク・・・。」
「違うよー!お兄ちゃんにさしまくるのー!」
「・・・骨は拾ってやるぜ。」
「マスター。KAITOが風邪ひいちゃったみたいなの。酷い声で・・・。」
MEIKOの言葉に秋山は一気に表情を変えると、買ってきたアイスを一瞬の内に仕舞い終えた。KAITOで買ってきたアイスのことを思い出し、素早く冷凍庫にしまったのだ。
「・・・それで、KAITOは?」
「今さっき寝かしたわ。でも私たちこういう時にどうすればいいのかを知らなくて・・・。」
「そうか。とりあえず、見てくる。」

――――――

「KAITO?起きてるかー?」
「・・・ぐるじい゛でずまずたー・・・。」
「うおっ!?セルフデスボイス!?」
「だがらぢがいまずって・・・。」
「熱は・・・うわ、かなりあるな・・・。」
「苦しぐて寝られまぜん・・・。」
「そうか、折角限定物のアイスを買ってきたんだがな。」
「え゛!?」
「すっごく美味しいと評判で、三時間並んで買ってきたのにな・・・風邪じゃ食べられないよな。」
「・・・マズダー。」
「ん?」
秋山が単純なKAITOならこれで少しは元気になったか、と思いKAITOの方を見ると・・・口を開けたKAITOが人間とは思えない形相で眼前に居た。
「はぷっ。」
「んんん!?」
突如口づけされ、わけもわからず手をじたばたとさせるが、KAITOは離れてくれない。
「んんっ、んんんむんん!?」
「むー・・・。」
しばらくして、ようやくKAITOが離してくれた。
「はっ・・・はあ、ちょ、なに、おまっ・・・。」
ぜえぜえと顔を真っ赤にして息を切らす秋山に、KAITOは熱に浮かされた笑顔で言った。
「だって、風邪って他の人にキスしたら治るんじゃないですか?俺、限定アイス食べたいですよ。」
「へっ?・・・だ、誰から聞いたんだよそんなこと・・・。」
「えーと・・・お隣のルカから。」
「あっ・・・ルカああああああ!!・・・くしゅっ。」
「あれ?マスター風邪ひきました?もう一回キスすればマスターの治るかなあ?」
「やっ、い、いいい良いから!頼むから・・・!!」


これ以上やったら、別の意味で熱がヤバそうです。


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