緑赤 | ナノ
扉を開けるとそこには、体を血で濡らしたレッドが立っていた。
「…グリーン。」
痛い、と。
息を呑んで固まるグリーンに対して端的に無感情に呟かれる言葉。
淡々とした雰囲気に一瞬飲まれかけるが、この血の量はどう考えてもただで済むことではない。
「っおま、その怪我どうし…!」
どうしたと、当然の問いかけが口からすべて放たれる前に、レッドの体が崩れ落ちるようにグリーンへと任された。
「ちょ…おいレッド!?」
ぬめりとした感触に手をあげれば、案の定その手はいまだ止まらぬレッドの血で染まっていた。
* * *
「怪我が思ったよりもひどくて焦りましたが、後は安静にしていれば大丈夫ですよ。」
「そうですか…。ありがとうございます。」
安心させるように笑いかけるジョーイさんに、素直にグリーンも息をついた。
病室に静かに横たわるレッドは恐ろしくなるくらいに白かった。
人が出払い静寂に包まれ始めた病室に、小さく開けられた窓から冷たい冬の風が吹き始めた。
先ほどまでここにいた人々の体温が失われた部屋が一気に冷たくなっていくような、そんな錯覚。
降り注ぐ日差しの暖かさとひどくアンバランスに思えて、ここにきてはじめて、無性に泣き叫びたくなった。
「………レッド。」
ぽつり。落とされた言葉は微かな震えをはらんでいて、グリーンはただその白い手を握ってやることすらできずにいた。
その血色の悪い顔を見ていられずに目を閉じる。
そうしてまた落とされる言葉がひとつ。
「レッド。……ごめんな。」
次はきっと守るから。
目を開けたときにはきっと、いつもの無表情でこちらを見据えていることを願って。
朝を与えて下さい
――――
あれ、たいして甘くないような…。
ていうかレッドさん結局起きなくてすみません…!
なんだかリクエストに沿えてない感バリバリですがこんなもので良かったら貰っていってやってください!
リテイクも受け付けていますのでお気軽にどうぞー!
リクエストありがとうございました!