*2 | ナノ
※後半会話文
「そういえば臨也の家って隠し部屋あるよね?」
そう言った瞬間に臨也の体が一瞬だけ震えたのを僕は見逃さなかった。
臨也のことだからさぞかし恐ろしいものでも詰まっているのだろうと当たりをつける。
「…見せないよ。」
そうすると臨也は彼にしては珍しく、静雄に見つかったときでもしないような苦々しい表情を浮かべた。
「…そんなにすごいものがあるのかい?」
「そう、極秘だから誰にも見せられない。…なに新羅気持ち悪い顔して。」
気持ち悪いとはひどいなぁ。
まぁ自分でも口の端をつり上げたような妙な笑い方をしているんだろうなとは思うけど。
* * *
「…なんて事があったから、一体何を隠しているのかと思ったら。」
「…新羅のバカ。」
「うるさいよ臨也。…えーと、『池袋、逆襲』?これらを隠しておきたかったのかい?」
「違うしカモフラだし断じてそれを隠しておきたかったとかいうことはないしバカじゃないの新羅。」
「あ、片眉が上がった。嘘つくときの癖だよね臨也。」
「………………死ね。」
「嘘だよ、呼吸をするように嘘をつく君にそんな分かりやすい癖あるわけないだろ。…まぁ今のは君にしては珍しくまるわかりな嘘だったけど。」
「っ死ね!消えてなくなれ!」
「臨也って焦ると口悪くなるよね。…それでこれらを隠しておきたかったって、君そんなにこの九十九屋って人が好きなのかい?」
「だから違うしカモフラだって言ってるだろバカじゃないのバカじゃないの新羅。」
「ふーん?まぁいいけど。」
「わかったんなら帰れ。二度と来るな。」
「はいはい。面白いものも見れたし、今日のところはこれで勘弁してあげるよ。」
そう言ってドアをくぐりながら見た臨也の顔を、私は一生忘れないだろうなと思った。
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家の隠し部屋に九十九屋さんグッズ隠し持ってる臨也。
新羅ばっかなのは趣味です。