目に写るは嘲笑 | ナノ


「やぁ新羅。相変わらず今日も元気に狂ってるね。」

「やぁ臨也。君にだけは言われたくなかったよ。」

君だって十分狂っているくせに。
脳にまで直接届かせるように、吹き込むように耳元で囁かれ、臨也は感じ入ったかのように目を細めた。

「首無し狂いが言える台詞じゃないだろう、それは。俺の愛は至って健全だよ。」

「…いい度胸してるよね君も。」

そして彼と例の彼女を揶揄するように言葉を選ぶと、彼はそれだけで表情を変えずに目だけで臨也を射抜いた。
臨也は新羅の、彼女を引き合いに出さなければ見ることのできないこの目の色が好きだった。
彼は決して自分のものにはならないという、その確かな安心感。
脳天から突き抜けるようなその感覚を楽しみながら唇を舐める。
獲物を目の前にした捕食者のようなその仕草に、自然新羅は眉を寄せた。

「…君、顔だけは良いのにね。」

「見てくれだけとは、心外だね。」

そうして皮肉を込めて蔑んでも、新羅の下で笑うこの男はどこまでも冷徹に慈愛に満ちた瞳をサディスティックに細めるばかりで、新羅は大息する。

「外見以外で、なにか褒められるところが君にあったかい?」

「…ひどいなぁ、新羅は。」

一方新羅は、臨也のこの赤い瞳の奥に見え隠れする傷を見ることが好きだった。
傷がその身に刻まれるならば、臨也は必ず闇医者である新羅のところへ足を運ぶ。

お互いの感情など無視して、自分の感情だけでものを計る。

あぁ、不毛だ。

「ねぇ新羅。…今日はいったい何をしてくれるのかな?」

「そうだね臨也。まずはその不快な口を閉じるところから始めようか。」



目にるは嘲笑


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セフレ以上恋人未満。
当サイトは何だかんだで臨也のことが大切な新羅を応援しています。
でもこれ大切にしてないよね。歪んでるよね。
どうしてこうなった。
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