土斎 | ナノ
薄桜鬼、あまり詳しくなかったりします。※キャラ崩壊。



「一君、雪だよ雪!初雪だよ!」
「ああ・・・奇麗だな。」
巡察で奇遇にも会った平助が、幼子のように雪を指差し喜んでいる。
手の平にふわり、と降りてきた雪は、やさしくも冷たい感触だった。
「喜ぶのは良いが早く帰らなければ風邪をひく。戻るぞ平助。」
「ああそっか!おーい早く戻るぞ!」
俺がそう言うと平助は後ろの隊士達に改めて大声で告げた。


「うっわー!すっごい降ってきたからべっしょべしょ!風呂に入らないと・・・一君、一緒に風呂行こうよ!」
始めはちらほらと降っていたが帰路の途中数尺先も見えない程に降り出してきた。
払わなければ今頃雪達磨になっていたのではないかと思う。
「俺は先に副長に報告をしなければならん。先に行っててくれ。」
「あー、そっか・・・んじゃお先!」
言い終わらぬ内に廊下を駆け、消えてしまった。
「・・・廊下を走るなと言うのに・・・。」
ひとつため息を吐き、軽く手拭いで身体を拭いて副長室へ向かう。


「副長。巡察の報告に参りました。」
襖の前に正座をして応答を待つ。
「ん?おお斉藤か。早く入れ、廊下は寒いからな。」
「いえ、このままで結構です。有難う御座います。」
「いいから入れって。」
襖の開く音と同時に、副長の姿が現れる。
と、俺を見て急に眉をしかめる。
「おまえなあ・・・。」
その言葉の意味がわからない。
俺はなにか粗相でもしてしまっただろうか・・・。
「濡れ鼠じゃねえか!ちゃんと風呂入ったのか!?」
「あ、申し訳ありません。廊下を汚していまい・・・きちんと掃除はします。」
「・・・違う。おまえが風邪ひくって心配してるんだよ。急ぎの用なのか?」
「・・・いえ。急ぎという程では。」
「なら先に風呂入ってこい。・・・俺もちょいと疲れたし入るか。ほら、行くぞ!」
「え、あ、はい。」
ぐいっと腕を掴まれ、歩を進める。
「腕が冷たいな・・・大丈夫か。」
「差し支えありません。」
「・・・そうか。」
廊下を歩いていると、見慣れた人影が現れた。
「あれ、土方さんに斉藤?何処行くんだ?」
左之だ。
「風呂だよ。気分転換にな。」
副長が答える。
「いやー平助捜してたんだが・・・ちょっと渡したいものがあったんだけどよ。」
左之が困ったように頭をかく。
「平助は風呂だ。巡察の途中で会った。」
「おおそうか、ありがとう斉藤。」

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