愛の証明 | ナノ


※Sな静雄とMな臨也









ゴボッ。
口の端から血が流れ落ちる。
どれくらいこうして殴られているのか臨也にはもう考えられなかった。
今まさに痛め付けられている体は動かすこともできないくらいにボロボロだった。
感覚なんて残っていない。
そう思うのにこの体を乗っ取ろうとするかのような勢いで襲ってくる苦痛だけは褪せることがなくて、ひどく嫌になる。
地面に張り付いて離れない体で、それでも目線だけを動かして見上げた先には、降り下ろされる拳。
彼はいつも、とても楽しそうに臨也を殴るのだ。

それならば。
臨也は思う。
それならば、自分はこんなときぐらい大人しく素直に殴られようと。
さすがにこう頻繁だと新羅に申し訳なく思うけど、それでも彼が泣いてくれるから。
殴り終わったあとに、必ず俺を思って泣いてくれるから。

だから俺は耐えてみせようと思った。

だってこれは。



愛の証明


――――
一度は書いてみたいDV話。
しかしこの臨也はシズちゃんのこと好きすぎるな。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -