*1 | ナノ


そうだなぁ、あれは確か高校二年の夏だったかな。
珍しく臨也を除いた三人で昼食をとっていたんだよ。
臨也がいなければ静雄も暴れださないし、あのときは実に平和だったなぁ…。
え?そんなことはどうでも良いって?
あはは、ごめんよセルティ。
でもその場に臨也がいなくて、静雄が暴れださなかったって言うのは結構重要なことだよ?
そうじゃなければとてもあんな話はできなかっただろうからね。

えーと、それでだね。
突然京平が言い出したんだよ。
“臨也は誰か惚れてる奴でもいるのか”って。
あの臨也に好きな人がいるなんて信じられないだろう?
まさに驚天動地、青天の霹靂とはこの事だ。
私だって最初は信じられなかったさ。
でもこれは紛れもない事実なんだよねぇ。
俺はあの中では一番臨也との付き合いが長いだろう?
中学の頃からそうじゃないかって疑ってはいたから、京平がそう言ったときも冷静でいられたんだけど、そうじゃなかったら混乱するよねぇ今のセルティみたいに。
静雄なんか飲み物吹き出してたからね。

まぁだから、臨也に好きな人がいるっていうのは本当だよ。
本人は全然認めようとしないけどね。
むしろあれは自覚してないんじゃないかなぁ。
人間全てを愛しているなんて大真面目に言うぶっとんだやつだからねぇ臨也は。
お前が言うなって?
セルティは相変わらず手厳しいなぁそんなところも可愛いけど!
まぁたぶん臨也は自覚してないよ。
面倒くさい奴だよねぇ。

ん?何で京平はそんなこと言い出したのかって?
臨也が携帯いじってるの見ちゃったんだろうね。
あいつその頃から携帯何台か持っていてね、大抵は黒か赤のなんだけど一台だけ白いのがあるんだよ。
ある人専用らしいんだけど、その携帯いじってるときだけ、見たことないような表情するんだよねぇ臨也。
臨也はチャットだけの間柄だって言うけど、それだけの関係であんな表情できるならそれはもう。


恋しかないだろう?




――――
実は臨也の方が好きになるのは先だったんだよって話。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -