雷 | ナノ
「うっわー!スゴい雨!雷まで鳴ってんじゃん!」
「ああそうだな・・・ここまで酷いと帰れないぞ・・・。」
「オレ傘忘れちまったしー!雨が疲れるまで校舎内でヒマぶっ潰そうぜ!」
「いや雨は疲れないだろ。」
「は?なにいってんだよ。雨神が運動してんだよ。運動したら汗が出るだろ?雨こそが雨神の汗なわけ。だからしばらくしたら疲れて汗出尽くして止む、と。そんなことも知らないのか滝澤くんは?」
「・・・それ冗談か?誰から聞いた?」
「え?安原から。勉強になったよ。知らなかったもんそんなこと。」
「安原・・・!俺に余計な苦労させやがって・・・。まあ確かに勉強になっただろうな、お前が如何に馬鹿かということと、安原の性格の悪さが。」
「安原のこと悪く言うなよな。あいつ色々教えてくれんもん。」
「例えば?」
「んー・・・。『猿も木から落ちるというのは、ライバルに負けないよう昼ドラのように罠を画策する・・・。
サルスベリというつるつるとした木があるだろう?どんな木でも軽々登れる猿もあの木だけはどうしても登れない。だから猿はサルスベリをライバル視してサルスベリに罠を仕掛け相手を倒そうとする・・・つまり、相手を極度に憎むという意味だ。』―――って言ってたよ。」
「・・・・・・信じる方も信じる方だな・・・。」
「そういやなんで雷様ってヘソ狙うんだ?」
「ああ、それは雷が鳴る時、夕立が来るだろ?その時急に気温が下がって、子供なんかお腹を冷やす恐れがある。その時に・・・「うっわ今光った!音がした!おま見た!?見たか!!?」
「人が説明している時に実況するな。お前の方が五月蠅いわ。」
「だってあんな光ったらさ、金田一少年の事件簿とか、サスペンスみたいじゃん。かっけー!」
「まあ確かに推理ものやホラーではあるな。」
「人呼んで必殺の銭形平次。」
「いや仮にも警察が殺しは駄目だろ。ていうかなんか混ざってるし。」
「こち亀に出てくる・・・。」
「あれは銭形じゃなくて銭の亡者だ。」
「なんだよケチばっかつけてさ!もう絶交だよ!」
「・・・そうか。本気なんだな?」
「・・・・・・。」
「じゃあせめてもの餞別に俺の傘、やるよ。俺合羽あるし。じゃあな、楽しかったぜ。」
「えっ、ちょ、おい冗談だって!オイイイィ・・・・・・。」

「うっ・・・ちくしょう、もう一人で帰ってやる・・・。」
「・・・ひっく、う、・・・・・・う?」


翌日、病院で目を覚ました秋山くん。
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