梅雨 | ナノ
「き、きのこ・・・き、のこ・・・・・・っ。」
「いきなりどうしたんだお前。とうとう九百二十万千七百六十三倍馬鹿にでもなったか?」
「いや・・・最近雨降り通しだろ?」
「ああ、梅雨だからな。それがどうした?」
「・・・とっておきのひよこのお菓子にきのこが生えちゃったんだ・・・。」
「げっ!お前そういうのは早く食べとけよ!っていうか、なんで黴じゃなくて茸が生えるんだ・・・?」
「だって・・・好きなものは後に食べたいじゃん。」
「俺は先に食べるけどな。しかし何時からしまっといたんだ?」
「五年前。」
「お前の“後”は何時くるんだ。死ぬまでとっておくつもりか。」
「いや、成人式に食べる。」
「後四年も待つつもりか。ひよこがきのこだらけになるじゃないか。」
「いや、新たなきのこ栽培法として・・・。」
「誰もやらねえよ。・・・ちょっと見せてくれないか?」
「ん?はい。」
「うっわ!ものの見事に生えてるな・・・よりによって危ない位置に。お前の助平な性質が受け継がれたんじゃないのか?」
「すけべいって誰?カッコ良い人?」
「・・・幸せ者だよな、おまえって。」
「いやあそんな・・・で、このきのこ食べようと思うんだけど、焼く?煮る?それともわ・た・し?」
「食べねえよ!そんな怪しい茸誰が食べるか。」
「そっか、わたし、かぁ・・・。」
「いやそれいらない。一番いらない選択肢だから。頬染めるなよ。なんでお前のエノキダケなんか食わなきゃいけないんだ。」
「違ぇよ!オレはタマゴタケだよ!」
「読者にわかりにくい例えだな。お前のはあんなに大きく無いだろ。せいぜいしめじにしとけ。」
「おっ、おまえはどうなんだよ!どうせ冬虫夏草菌並みのくせに!」
「俺は菌以下か。それほとんど女じゃないか。」
「見せてみろ!おらっ・・・、」
「うわ、ちょっ!やめ・・・、」


「・・・・・・うう、ばかやろ・・・。」
「・・・・・・オレ、自分にきのこ生やそうかな・・・。」
「・・・ガンバ。」
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