七夕 | ナノ
「七夕か・・・。」
「ああそういえばもうそんな時期だな。」
「嬉しいよなあ。」
「そうか?別に願いが必ず叶うワケでもなし、嬉しくないな。」
「いや、織り姫と彦星が会えるのがさ。」
「ああそっちか・・・まあ、優しい奴だな。」
「一度織り姫に抱きついてみたい。」
「いや無理だろ絶対。織り姫の表面温度約一万一千度だから。抱きつく前に焼け死ぬから。」
「熱い・・・女なんだな。」
「なんでそんなに感心したように言うんだよ。」
「まあオレはもっと熱い男だけどな!」
「張り合うな。ていうか気持ちだけ熱くてても駄目だから。」
「妬いちゃってんのか?安心しろ、お前は親友だ。」
「妬いてねえよ。ある意味嬉しいけど。」
「ツンデレはこれだから・・・というわけで肝試しやろうぜ!」
「なにが“というわけで”だ。一体その『・・・』の間に何があった。」
「いや、ツンデレも怖がる肝試しすれば素直に抱きついてくるかなって。」
「抱きつかねえよ。男が抱きつくとか気持ち悪いだろ。」
「オレは二刀流だから大丈夫だ!安心しろ。」
「両刀って言いたいのかそれは。寧ろ俺を狙うおまえが一番危険だよ。」
「危険な香りのする男と呼んでくれ。」
「なにちょっと喜んでるんだよ。別にカッコ良くねえよ。」
「おまえ・・・オレがモテるのが嫌でそんなことを・・・。」
「うん、頭が危険な男だなお前は。なんつーかツッコむ度にMP削られるわ。」
「オレの勝ちだな。」
「こんな勝負なら負けた方が嬉しいかもな。」
「はあ、織り姫に会いたいなあ・・・。」
「会えないが・・・会ってどうするんだ?」
「イケメンのおまえを連れて行って彦星と織り姫とおまえの三角関係を描くシリアスコメディどろどろ昼ドラを撮ってテレビ業界に売りつけてやるんだ!フジテレ・・・いや、テレビ東京あたりに。」
「織り姫好きじゃねえよ。ていうか誰も買わねえよそんなドラマ。しかも何故わざわざマイナーな放送局にした。」
「いや可哀相で・・・テレ東いつも番組パクられるんだぜ?」
「無駄な配慮をするな。そんなん売りつけたら余計可哀相だわ。」
「主婦層に人気が出て、子供にその知識が受け継がれるんだ。『ああ、あのひこぼしとおりひめとどっかの兄ちゃんはにくたいかんけーなんだなあ・・・どろどろだなあ。』とか星空を見上げて・・・ロマンチックだな。」
「子供を汚すなお前のロマンチック街道絶対腐ってるだろ。」
「願い事書こう。」
「帰りたい。」
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