自殺部1 | ナノ
「なーなー谷在家ー。」
彼女―――俺の友達の浅井は、少し離れた席から俺のところへ来た。
いつもこうして俺のところへ話に来てくれる。
今度は何だろうか。
「ん?なんだ?」
俺は振り返った。
ただ、いつもとなにか少し違うような気がした。理由なんかわからないけど。
返事を待つ俺に、浅井が口を開く。
「明後日の日曜日、遊ばない?私んち集合で。」
明後日・・・特になにもないはずだ。
それに最近遊んでいなかったし、いいだろう。
「ああ。久しぶりだな。何時頃行けば良い?」
「いつもどおり、1時30分に。」
「ああ。」
俺が短く返事をすると、浅井は少しだけ微笑んで席に戻っていった。
・・・いつもなら、もっと話をするはずなのだが。
まあ、話題が無い時もあるだろ。
「・・・っと、もうこんな時間か。」
俺は大して気にもせずに、英語の授業の準備を始めた。時間が無かったのもあるかもしれない。
―――昼休み。
昼休みが始まると、大抵隣のクラスのソラが俺達のところに話しに来る。
本当は、他クラスの教室に入っちゃいけないけどな。
皆、そうしている。
浅井とソラは先になにかを話して盛り上がっているようだ。
俺は鉛筆を削りまだしまっていないテーブルクロスを鞄に突っ込んでから彼女たちの話に加わる。
ソラのマイブームだとか、浅井の兄ちゃんの話だとか・・・他愛もない話をした。
しばらく話していると、予鈴が鳴った。
「やべっ、次理科じゃん。行かないと。」
「あっ、そうだね。」
「じゃあ、うちは戻るね。」
俺と浅井がそう言うと、ソラはじゃあまた、と言って戻っていった。
「うん。」
「あとでね。」
俺と浅井は理科の教科書やらノートやらを持って、理科室へ歩き出した。
「谷在家。」
「あん?」
「私の良い所ってどこ?」
「え!?いきなり言われてもなぁ・・・うーん・・・。」
まさかそんな質問をされるとは思わなかった。
だが、浅井にも良い所は結構ある。
答えを出すのに大した時間はかからなかった。
「そうだなあ、」
「うん。何?」
「頭が良い。」
そういうと、浅井は少し眉をひそめた。
「・・・それだけか?」
「いや、」
俺はそう聞かれたので続ける。
「あとは、思いやりがあるところだな。お前、結構人のことを考えていると思うよ。
迷惑にならないようにしているし。」
「そうかなぁ・・・。」
浅井はそう言って、少し自信のなさそうな顔をした。

「そうだってば。それに結構色んな人のことを考えていると思うよ。迷惑にならないようにしているし。」
「そうかなぁ・・・。」
浅井はそう言って、少し自信のなさそうな顔をした。
「そうだってば。それに結構色んな人と話しているじゃないか。声も掛けられているし。お前の性格のおかげだって。」
「うーん・・・。」
自信のない顔をされると、なんとなくこちらまで暗い気分になったので、少しテンションが上がりそうな趣味の話に切り替えた。
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