ただの一 | ナノ
※少しだけBL風味ですので苦手な方はお戻り下さい。


事実は永久に変わらない。
其れは救いだ。
事実は永久に変わらない。
其れは絶望だ。





「おーいたーちゃんっ!俺の事を置いてくなよ!」
笑いながら駆けてきたコイツは谷在家千秋。
同じクラスの・・・友達?だ。
「遅いんだから仕方ないだろ?30秒は待った。」
そう言ってスタスタ歩くと、アキも負けじと同じ速さで歩く。
「ひっどい奴だなー。30秒って言ったらカップ麺も出来ないじゃないか。勇者が世界を救えるか否かの話じゃないか。」
アキが膨れっ面で俺を見る。
「そういやそんなゲームもあったなぁ。確かCMでやってたよな。」
「そうそれ!最近ハマっててさ・・・あっ、そういやハガリン読んだか?」
「当たり前だろ。発売日前に売るところ探して前日に買ったぐらいだからな!特に皇帝リン・ヤドと旧魔王軍ロイズとの戦いが最高でさ―――」
漫画の話になって、思わず饒舌になる。
しばらくして、アキが悪戯っぽく笑って俺の頭を撫でた。
「なっ、なんだよ!?」
「お前ってさ、ホント漫画大好きだよな。」
「当たり前だろ?俺は漫画家になるんだからさ!」
アキはにっと笑うと、かなり強く俺の背中を叩いた。
「っ、痛ってぇな!転ぶとこだったぞ!?」
お前強いんだからもっと加減しろよな・・・痛たたた。
「悪ィ悪ィ、じゃあ俺んちまで競走だっ!」
言い終わるか否かの内に、アキはさっさと走ってく。
「・・・良い度胸だ。やってやろーじゃねえか!」
負けず嫌いの俺に挑むなど愚の骨頂!
今すぐ跪かせてやるぁああぁああああ!!
俺は全力で走った。
クククク・・・笑いがこみ上げて来るぜ!後少し・・・もう少しで追いつく!
谷在家の肩に手を伸ばそうとして(いや鬼ごっこじゃ無いけど)―――誰かにぶつかった。
ベタなことに曲がり角から来た人にぶつかった。
ここから新たな恋、が・・・、


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