絶望の果てに希望を見ろ | ナノ
久方ぶりに思いきりマサラの風を吸い込んだ。
胸の空白を埋めることはできなかったけれども、それでも追い出すように吸い込んだ。
ここは始まりの町。
俺たちの旅もまた、ここから始まった。
二人で笑って、二人で泣いて。
二人で怒って、二人で悲しんだ。
あぁ、懐かしい。
色々なことがあった。
なぁ?
問うべき相手は、いないのだけど。
何故、突き放してしまったのだろう。
何故もっと、ちゃんと話を聞いてやれなかったのだろう。
…俺が子供だったのだ。
裏切られた気分になった。
俺が、俺たちの目指してきたものは、そんなあっさり捨てられるようなものだったのかと。
今ならわかる。
今ならわかるよレッド。
いくら後悔しても、今さら遅いのだと、風があいつの記憶を吹き消した。
絶望の果てに希望を見ろ
(世界は捨てたものじゃないと、お前は思えただろうか。)
――――
緑さんは後追うタイプじゃない気がするんですよ。