恋人が自分の家に来てやましいことを考えない男が居るなら是非お目にかかりたいものだ。

「……折原」

「なぁに?九十九屋先生」

ソファに流れる黒髪。俺を見つめるその瞳はいつものように挑発的だ。
押し倒してみせてもこの反応。慣れているんだな、と感じた。過去に捕らわれる気はないが、やはりいい気はしない。

「先生、私に欲情してくれたんだ?臨美うれしーい」

「ここは学校じゃない。俺の家だ。先生は止めろ」

「名前で呼んで欲しいなんて、先生もかわいいとこあるんですね」

「ちょっと黙ってろ」

「ん……っ、」

五月蝿いその口を塞ぎ、するりと服の中に手を侵入させる。胸の辺りまで服を捲ると、想像通りというか何と言うか、派手な下着が目に入った。
背中に手を回し、ブラのホックを外そうとした時、折原が意外な反応を見せた。

「ねえ、待って、ほんとにするの?」

「今更」

何を言っているんだ、と行為を続行しようとした。

「九十九屋先生……」

「だから名前で呼べ……、折原?どうした?」

折原の声が震えているのに気付き視線をそちらに向けると、折原は眉をハの字に下げて瞳に涙を滲ませ、明らかに怯えた表情をしていた。
「……やっぱり、こわい」

先ほどの強気な折原はどこにもいない。同一人物かと疑うほどか細い声で紡がれた言葉にピンときた。

「折原、お前まさか……」

「……っ、処女で、悪かったね……!」

頬を真っ赤に染め上げ視線を反らす折原。その態度に俺は……どくりと心臓が跳ね上がるのを感じた。












某チャットで投下した突発的SS。いつかがっつり書きたい!


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