※裏含みます
きらびやかなイルミネーション。心奪われる夜景。邪魔にならない程度に耳に届くBGM。
その全てが恋人達の行動を大胆にする。
地元から二時間程電車に揺られて来たのはデートで定番の遊園地。
一週間前、臨也から遊園地に行こうと誘いを受けた時は、何で男同士でンなところ行かなきゃいけねぇんだ、と思った。口には出さなかったものの、そう態度に出ていたんだろう、臨也はしゅんと肩を落として「じゃあドタチンと行く」と言った。
その言葉を聞いた後の俺の反応は、想像に任せる。
結局、俺は臨也と遊園地に出掛けることになった。
一日中アトラクションを乗り継ぎ、気が付けば閉園時間が迫っている。
「やっぱり締めはこれだよね!シズちゃん高いところ平気だっけ?」
遊園地の目玉である観覧車を見上げながら、臨也が俺に問い掛ける。テンションが高いのか、何となくいつもより声に張りがあって子供っぽい。
「ああ。好きでもねぇけど嫌いでもねぇな」
「良かった。じゃあ乗ろう!ね?」
にこ、と惜しみ無く笑みを浮かべながら、臨也は俺の手を引く。いつの間にか繋がれていた手。男同士で、しかもこんな大勢の前で手を繋ぐなんてどうかしてると思う。でも、そっ、と戸惑いがちに触れてきたものだから、振り払うことが出来なかった。
結局俺は臨也に弱いのだ。
現に、繋がれた手も、子供のように無邪気に笑う臨也の笑顔も、満更でもない。
むしろ、可愛……
「……ズちゃん?ねえ、シズちゃん、聞いてる?」
ひょこ、とわざわざ下から顔を覗き込む臨也に、俺の思考はぷつんと途切れた。
「悪い、聞いてなかった。何だ?」
「だーかーら、今日シズちゃんの家泊まってっていい?」
「…………」
「……ダメ?」
上目遣いで俺を見上げながら、狙ったように小首を傾げる臨也。
そんな顔されちゃあ断る気なんか起こる訳がない。そもそも断る理由もねーしな。
「別に来りゃいいだろ、駄目だっつっても来るんだからいちいち聞くな!」
「ありがと、シズちゃん」
ぎゅう、と腕に抱き着いてくる臨也を、俺はやはり振り払うことが出来なかった。
「こんばんはぁ。次の方どうぞー。足元気をつけて下さいねー」
係員に案内され、臨也と二人でゴンドラに乗り込む。
観覧車なんて何年ぶりだろうな……。
ばたん、と閉められる扉。臨也は向かい側の椅子に座り、子供のように窓にへばりついて早速外の景色を堪能しようとしている。
俺はと言うと、そんな臨也の無邪気な姿を堪能していた。
「わー、シズちゃん凄いよ。人がゴミのようになっていくよ!」
きゃっきゃと騒ぐ臨也。
楽しんでいるなら何よりだ、と思うが何となく気に食わねぇ。俺がここに居るのに臨也はこちらを向こうともしないのだ。
「臨也」
「うん?なぁに、シズちゃん」
「……そっち行っていいか」
「え!」
一瞬にして、臨也の顔が赤く染まった。
のそりと身体を動かし、臨也の隣に腰を降ろす。
「シズちゃん、分かってるの?」
「あ?何がだよ?」
「こんな密室で、こんな密着されたら俺……」
「俺も手前と同じ気持ちだから安心しろ」
臨也を抱き締め、そのまま俺の膝上に乗せる。どうせ誰も見ていないんだ。どれだけイチャつこうが俺の勝手だろ。
「っ、シズちゃん、大好き……!」
「俺も好きだ、愛してる……臨也」
ちゅ、ちゅ、と何度も啄むように口付けると、臨也は擽ったそうに笑った。子供っぽい笑みではない、艶やかな微笑。
ぐらり、と揺れる理性。俺には理性に抗う術なんてなくて、本能のままに臨也の服に手を忍ばせる。
「ん、シズちゃん、だめ……」
「少しだけ、触らせてくれ、少しだけだから」
首筋を甘噛みしながら、臨也のしっとりと吸い付いてくる肌を撫で回した。びくりと震える臨也の身体。
「中途半端に触られたら、余計苦しいよ……っ」
瞳を潤ませ、頬は上気し、薄く開いた口からちらりと見える赤い舌。既に息が上がっている臨也の姿に、俺の欲も煽られる。
「悪い臨也……、勃っちまった」
俺もまだ若いな、なんて心の中で苦笑しつつ、すっかり勃ち上がった自身をぐりっと臨也の脚に擦り付けた。
「嘘……、あ、ちょっと、擦り付けないでよ…!」
「臨也、手前も男なら分かんだろ……、もう止まらねぇ……」
「でも、時間が…っ」
確かに頂上は過ぎたし、あと10分もすれば地上に着いてしまうだろう。
しかし今更昂りを静めることも出来ない。
「……仕方ねぇ、とりあえず一回抜かせろ」
「え、なに……!」
驚く臨也にお構い無しに、俺は素早く臨也の自身を取り出して自らのそれもさらけ出した。
そして、自身同士をぴとりとくっ付ける。
「あ、やだ、恥ずかしいからぁ……っ」
「とか言ってガン見してんじゃねぇよ」
「うあっん、ぁ…や、シズちゃんの、びくびくして……っ」
臨也と俺のを同時に扱くと、たまらない位気持ち良かった。びくんびくんと脈打ち、煮えたぎるように熱い自身。二人分の先走りが混ざり、にちゃりにちゃりと絶えず響く水音が聴覚を侵した。
「ぁああっ!んっ、あっさきっぽダメぇ…っひぃぃん!」
カリカリと尿道口を爪で軽く引っ掻くと、臨也は嫌々と首を振りながら俺の肩に顔を埋める。
臨也の“嫌”は“もっと”の意味だ。続けて尿道を刺激していると、ドッと先走りが溢れて俺の手を更に汚した。
「は、もうぐちゃぐちゃじゃねぇか」
「シズちゃんのばか……!仕返し!えいっ」
涙目でキッと睨まれ、何をするのかと思ったら俺の自身の先端をぐりぐりと弄られた。
「てめっ、やめ……!」
「シズちゃんだって俺のぐりぐりしたじゃんか……っ」
「うる、せ、てめぇは大人しく、あんあん言ってろ…!ん、はあっ」
「そんなこと言って、ぁ、…っシズちゃんも、気持ちいいんでしょっ」
互いに互いの自身を慰め合いながら、徐々に絶頂の兆しを掴む。はあはあと荒い呼吸と、いやらしい粘着質な水音と。ゴンドラの中はむせ返るような雄の匂いで溢れていた。
「臨也、一緒にイくぞ……!」
「あっ、ぁん!シズちゃ、シズちゃん、イく!イっちゃうぅ!」
「…っ、く、は、臨也、臨也ぁ……!」
「あっあっ、ぁああ!!」
どくん、と自身が大きく震え、俺達は同時に欲を吐き出した。服を汚してしまうと面倒なので、咄嗟に手の平で受け止める。
「……臨也、大丈夫か?」
「ん…だめ、もうへとへと!」
「ったく、仕方ねぇな……」
下に着くまでにもう数分とかからないだろう。射精感に浸る暇もなく、臨也と自分の自身をしまい乱れた服を整える。
汚れた手はとりあえずティッシュで拭くことしか出来ないが、ここは仕方ない。
「お疲れさまでしたー、……足元気をつけてください、ね」
観覧車が一周し、地上に着いたところでゴンドラの扉が係員の手によって開かれた。
係員の笑顔が一瞬崩れたのは……鼻をつく精液の臭いに気付いたからだろう、な。
次に乗る奴らに心の中で謝りながら、俺は臨也の手を引きその場を後にした。
「あー、すっごいスリリングだったね、シズちゃん!クセになっちゃうかも」
体力を取り戻した臨也がけらけらと笑う。人のことを化物だとか絶倫だとか言うけど、こいつの体力も相当だよな。
「クセになってたまるかよ」
「でもシズちゃんも気持ち良さそうだったじゃん」
「うっせぇ…!手前のせいだろ!」
醜態を晒してしまったことに居たたまれずに、ふい、とそっぽを向いていると、
「……とりあえずシズちゃんの家着いたら、続き……シよ?」
甘い囁きが鼓膜を揺らした。
20100521
愛する鴇音さんこととっきーに捧げます!甘々より観覧車えちがメインになってしまって申し訳ないです><扱き合いとか個人的な萌え過ぎるwwこんなものでよろしければ貰ってやってください…!書いてて楽しかったです///素敵なリクエストありがとうございました!これからもよろしくお願いします^//^