(静雄と十四郎W副長)



晴れ渡る青空の下。黒い着流しを着た青年と、銀髪が一際目を引く男が談笑をしながら歩いていた。
目的地は二人共同じである。

「坂田さんも一週間ぶりなんですか?」

「そうそう。十四郎ってば仕事仕事で全っ然連絡くれねぇしさあ」

「あはっ、シズちゃんと同じ。本当、シズちゃんと十四郎さんって似てますよね」

「「ツンデレなところとか」」

完璧にハモった台詞に、二人は顔を見合わせて笑った。

黒い着流しの青年は、折原臨也という。情報屋をしており、銀髪の男――坂田銀時とは仕事仲間でもあり、悪友とも呼べた。そんな二人の共通点。それは、

恋人が真選組の副長、ということ。





真選組内でも顔が知れている二人は、難なく屯所に入れて貰い、途中隊士達に挨拶を交わしながら真っ直ぐと副長室へ向かった。

「シーズちゃん!遊びに来たよー」

臨也がスパンと勢いよく障子を開け放つ。

「十四郎くん、あーそびーましょー……って、うえっほ!ごほっ!な、何だ!?」

「けほっ、何これ、煙?」

部屋の中からもくもくと白い煙が流れ込み、容赦なく臨也と銀時を襲う。

「何だ、お前らか」

煙の中から聞こえた声に、銀時が反応した。

「何だはこっちの台詞なんですけど!何だ、この煙!異常だろ!」

「何だ……って煙草の煙だ。見りゃ分かんだろ」

すぱー、と新しい煙を吐き出すこの男は、土方十四郎。真選組副長であり、銀時の恋人だ。

「はあー…十四郎は煙草吸いすぎ。……静雄くんも」

銀時は深く溜め息を吐きながら、土方の隣に座っている青年に目を遣る。
青年――平和島静雄は、銀時に向かって軽く会釈をした。

「……うす」

煙草をくわえながら。

「いや、うす、じゃなくてぇえ!とりあえず二人共煙草を消せ!肺ガンになるよ!そんなことになったら銀さんも臨也くんも悲しむよ!」

「仕方ねぇだろ、今書類整理で俺等のストレスはピークなんだよ」

言いながらも煙草を揉み消す土方。静雄もそれに習い灰皿に煙草を押し付けた。そしておもむろに立ち上がると、部屋の換気に徹していた臨也の元に歩き始めた。

「臨也」

「シズちゃん、久しぶり」

「ああ。悪かったな、一週間も連絡取れなくて」

静雄は後ろから臨也を抱き締め、臨也の肩に顔を埋める。

「まあ、ちょっと寂しかったけどね。仕事だから仕方ないでしょ。それよりも、坂田さんの言う通り煙草の量減らしなよ」

「……俺が肺ガンになったら手前、どうする?」

「泣いちゃうかも」

臨也はくるりと身体を反転させ、静雄と向き合うとがばっと抱き着いた。

「……っ臨也!」

ぎゅう。と熱く抱擁を交わす二人を横目に、土方と銀時は乾いた笑いを溢す。

「あいつら、相変わらずだな。俺等の存在無視してない?」

「静雄、仕事中も臨也臨也うるせぇんだよ」

「えー?でも土方さん、携帯の待ち受け坂田さんじゃないですか。シズちゃんのこと言えないですよ」

いつの間にか土方の正面に座っていた臨也は、にっこりと笑いながら言った。臨也を膝上に乗せながら、静雄は気まずげに視線を泳がす。

「静雄!お前ェ、臨也に俺のこと話すなっつったろ!」

「……すんません」

耳まで真っ赤にしながら静雄を叱りつける土方の横で、銀時はにやにやと笑っていた。

「あれー?もしかして俺ってばかなり愛されちゃってる?」

「土方さんが坂田さんを愛している証拠ならたくさんありますよ。教えましょうか?」

「臨也!」

「やだー、土方さんの顔こわーい」

きゃっきゃっと臨也は子供のようにはしゃぐ。土方も本気で臨也を叱るつもりはないらしく、諦めたように溜め息を吐いた。

「でも、へぇー…、十四郎は俺のこと待ち受けにしてるのか。かーわいー」

「だああ!うるっせぇな、放っとけ!」

ふい、とそっぽを向く土方を見て、静雄はぽつりと呟いた。

「土方さん、可愛いっすね」

瞬間。土方は驚き、銀時は警戒の目を向け、臨也はふるふると震えた。

「可愛いって、年上に向かって言う言葉じゃねぇだろ」

「ちょ、静雄くん!?十四郎は俺のだからね!略奪ダメ絶対!」

「シ、シズちゃんの、浮気者……っ!」

「いや、深い意味じゃないっすから!臨也も泣くな、浮気なんかしねぇ!」

「もうシズちゃんなんか知らない!シズちゃんの馬鹿あああ!」

臨也はぐしぐしと泣きながら、ばしばしと静雄の胸を叩く。一方、銀時は真剣な表情で土方の肩を掴んで告げた。

「十四郎、静雄くんにケツ狙われたら直ぐに銀さんのところに逃げろよ。俺の棒で十四郎の穴を埋めて静雄くんが入る隙間はねぇって諦めさせるから」

「下ネタかよ!!」

副長室では、ぎゃあぎゃあと男4人が声を荒げ、まるで中学校の休み時間のようだ。

屯所の廊下では、

「まーたやってるよ、副長達」

「あの人達が来ると賑やかですよね」

「沖田さんなんかは嬉しいんじゃないかな。副長達がああだとサボり放題だし」

「山崎さんもサボりですか?」

「やだなー、竜ヶ峰くん。俺はミントンの練習するだけだって」

「サボりですね」

なんていう監察達の会話が繰り広げられていた。


















20100518
もうほんっと楽しかったです^///^年齢は、坂田と十四郎のが年上です。静雄も副長だけど、十四郎の方が年上だから敬語!こんな感じで毎回gdgdすると思います。ちなみに山崎と帝人を出したのは、自分でもよくわかりません。


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