2014/03/28
揺れるまほらに(ハボロイ)




突発的に書きたくなって。あ、いや、好きなんですよ、このCP、
何でマイナーなんだろう、いや、そもそもあまり活発じゃないですよね、鋼錬BL

※アニメしか見てません←
アニメは、一期(?)も二期(FA)も見てます

「はぁ~、全く、嫌になっちゃうねぇ~」

マース・ヒューズは面倒くさそうに頭をかいた。全く勘弁してくれよ、と言わんばかりに。後頭部に突きつけられている冷たい鉄の塊は御世辞にも心躍る贈り物とは言えず、正直言って頂戴したくはないものだ。謹んでお断りしたい。迷いなく押し付けられたそれに深く溜息を吐く

「俺は一度フラれてるんだよ」

背後に立ったまま依然とこちらに向けてくる鋭利な気配を緩めてくれない男に、ヒューズはどうしたものかと考えて、降参、と手のひらを誰もいない真正面へと向けた。元々彼と勝負して勝てるとは思っていない。彼はなんせ、あの大親友様の懐刀だ。ご愛刀だ。切れ味はそこらの家の名ばかりでのし上がったような鈍将校達とは比べ物になるはずもない人材だ。正直、階級が仕事してない。まぁ彼は自他ともに認める"馬鹿"だし、そのままでもいい気がするが、馬鹿だし

「お前、いい加減信じろって、大体、俺には可愛い奥さんがいるの!俺には勿体ない程の奥さんが!」
「・・・ッス、ね」

カチャン、と冷たい音がして、後頭部に無遠慮に加えられていた悍ましい圧力と温度が感じられなくなる。ヒューズはホッと息を吐いてゆっくりと、手を降ろさないまま振り返った

「全く、アイツは自分の飼い犬にどんな指導をしてんだよ」
「・・・生憎、ご察しの通り、これは俺の独断専行ッスよ。上官に武器を向けた事、形位はお許しください」
「お前謝る気ねーよな?」

無遠慮に黒い殺人マシーンを後頭部に当てていてくれたお客さんは、ジャン・ハボック。ヒューズにとって大親友と言え、唯一、高いところに登らせてやりたいと願う男の部下だ。鋭い目つきのまま、明らかに上司への忠誠とはかけ離れた場所に抱えた視線で、男はヒューズを睨んだ

「・・・まぁ、無礼だとは分かってますよ」
「そーかい」
「ただアンタが、物凄く気に入らなかっただけです」
「・・・豪く正直だな、お前」


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