Koneta! | ナノ

◎冬の次は春ですね。

  ぼんやり眺める春、うらら。
「きれいだねぇ…」
「あぁ、そうだなぁ…」
「…ね、ね、私の顔見ても桜はないわ、あなた、あなたったら。」
  うす紅いろの花が舞う、そのたもと。
  花の宴。
  はなのえん。
「遠くでうぐいすが笑ってる……」
「かすみのお山も笑ってるね、吉野があんなに…ふぶきみたい。」
  花を愛で、春をことほぐ、その幸せを一入に噛みしめていた。
  番いのおとこは妹背の膝に頭を預け、そう新枕のようにしてのんびりと、ひかる薄紅を見上げた。
「おまえ、おまえ。桜の花は下を向いて咲くそうだ。」
「そうなの。」
「だから今、おれは極上の贅沢を味わっているんだ。」
  おまえに触れて、桜に囲まれなんたる幸せか。
  舞い散る花びらが吹雪いて、季節はめぐる。
  その幸せたるや。
「おかえりなさい、いつでもかえりを待っているから。」
「……おまえ、」
「胸の傷はもう痛くない?」
「……もう大丈夫だ…あの子が少し、心配だけれども。」
「あの子ならきっと。」
  変わりいこうとも。
  ひと、川、谷、ゆめ、変わり生こうとも。

  変わらぬ心、春の宴。



◎春の日常with現パロちっく
ツッコミの居ない夫婦にロー君(小)加えたらこうなりました。

「ぶえっくしょいっ!」
「うわきたないな。」
「あらあら。」
  顔を顰める養い子とティッシュ箱を持ち出す奥方はどちらもとっても手馴れている。
「花粉症?」
「……今まで症状なんて無かったんだが…」
「こういう類いは突然発症するんだ、積もり積もって一気に。」
「おお流石ローもの知りだなぁ!」
「お医者さんだけあるねー。」
「……とうぜんだろ。」
「照れただろ?今照れただろ?!」
  子どもの顔に忽ち笑みくずれ、そしてまたくしゃみ。
「病院行く?」
「えぇ…びょういん…」
「コラさんたまにおれよりガキだよな。」
「一緒に行ってくれたら行く。」
「……ほんとにガキだよな…」
「薬品のにおい嫌いなんだよ……なぁ、いいだろ…?」
「はいはい。」
「あんたも…!甘やかしちゃだめだろ!」
「ロシーのこの顔に弱くって……つい。」
  面と向かって言えないけれど、なんというか旦那さまは大型犬そっくりなもので。
「ロー君も一緒に行こうね、帰りにちょっとお散歩しよ?」
「あーもー、このノホホン夫婦ども!」


帰りに桜餅買いました。

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