ああ、世界は暗くて冷たいだけのものだと、思っていたのに。
望まれていないはずの自分を望んでくれた貴方に、僕は何も出来なかったけれど。
けれど、僕の心も、赤い色の血液も、赤く染まった黒髪も、骸さんに似ていると言われた右目も、止まりかけたこの心臓も全て貴方のものなのです。
最期まで、貴方のお役には立てなかったけれど、貴方の幸せを僕はずっと願っています。
本当は、貴方は優しい人なのだと、いつか皆分かってくれると祈っています。
もし、違う世界で僕のことを見つけてくれたら僕は今度こそは貴方のために、貴方のためだけに生きたいのだと。
そう笑って貴方に伝えられたら、貴方はいつもの様に優しく笑ってくれますか。
白蘭様、僕はどんな形であっても貴方に出逢えて良かった。
どんな最期であってもとても幸せでした。
さようなら。
ほら、もう泣かないで下さい。
貴方はとても温かいです。
愛しています。