今日も今日とて血の雨で。




こんな邪魔臭い蛙帽子なんて好きじゃない(寧ろ嫌いだ)。
こんな血生臭い仕事なんて好きじゃない(寧ろ大嫌いだ)。


へらへら笑って、人間をざくざくナイフで切り刻むなんて、なんて吐き気がする行為だろう。
全くもって馬鹿らしい(ヘドが出る!)


右手にこびりつく、黒く渇いた知らない人間の血になんて全く興味はないさ。
汚らしい(あの流血王子は随分と喜んでいたけれど、あの人はきっと馬鹿なんだよ)。


まぁ、世界が元に戻れば僕にこびりついた血の痕なんて綺麗さっぱり無くなるだろう。
世界が変われば僕の未来も変わるのさ。
そうなれば、こんな世界からおさらば出来る。
(ああなんて素晴らしいことなんだ!)


こんな世界なんて要るものか。
こんな僕なんて居るものか。


(頭から脚の爪先まで黒い血をどっぷりかぶったミーなんて、あなたに釣り合う筈がない)


暗殺者は闇に隠れて仕事をするから、だから闇とお揃いの黒い服なんでしょ素敵よねぇと小指を起てて匣を磨いていたオカマが言っていた(気がする)。
そんな馬鹿な!

頭から脚の爪先まで真っ黒い制服で覆っている理由なんて、一つしかないじゃないか(あんな黒くて重くてセンスの無いデザインの服なんて、誰が好き好んで着ているものか!)


洗い流しても消えることはない、こびりついた黒く渇いた知らない人間の血の痕なんて誰にも見せることなんて出来ないのだから。
だから頭から脚の爪先まで真っ黒い制服で隠しているんだ、と過去のあなたに呟いてみたら何故だかあなたは哀しい表情を浮かべたから、だから僕は消えたくなったんだ(こんな汚らわしい姿をあなたに見られる訳にはいかない)。


血の雨の中、







夢見る蛙は泣いたのだ
(憧れるのは、手の届かない未来と僕が居ない過去の世界のあなた)





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