グイドの双子の弟、レオナルドはそれはとてもとても愛らしく心清い少年で、レオナルドの双子のお兄さんのグイドは何よりも誰よりも、レオナルドを目に入れても痛くないほどに大切に大切にしておりました。

二人はイタリアの某有名マフィアのボスの大切な愛息子であり、次期ボスになる事は確実でありました。

しかしグイドとレオナルドを溺愛している父母は、マフィアのボスという危険な人生を歩ませたくはないという想いから、二人を屋敷から遠く離れた白くて可愛らしいお城に住まわせることにしたのです。

グイドもレオナルドも父母のことがとても大好きだったので離れたくはなかったのですが、二人の想いを踏みにじることは出来ないと屋敷を後にするのでした。

「父さま、母さま行ってまいります」

ぺこりとかわいらしくお辞儀をして二人は手を繋ぎ、黒いリムジンに乗りました。

母は白いハンカチでそっと涙を拭い、父はそんな母の肩を優しく抱き寄せました。

(父さま、母さま…)

レオナルドも泣きそうになりましたが、だいじょうぶだよとぎゅっとグイドがてのひらを握ってくれたので涙を堪えることが出来ました。

だいじょうぶ、ぼくには優しくて強いグイドがいる。

だいじょうぶ、ぼくには可愛くて大好きなレオナルドがいる。

そう想うと二人は安心してなんだかとても眠くなりました。
てのひらを握ったまま、うとうとと夢の世界に引きずり込まれていくのでした。

(だいすき、)

今はいつもふたりいっしょ。

でも近いうちに二人の運命が変わる出来事が起こるかもしれない。

昔、屋敷の専属占い師がそんなことを言っていたなとグイドは眠りにつく前に思い出しましたが、すぐに夢の中へと意識が吸い込まれていきました。

「レオナルドおやすみなさい」
「グイドもおやすみなさい」
「レオナルドよい夢を」
「グイドもよい夢を」



(だいすき)

夢のなかでもぼくたちはいつもいっしょ。

ずっとずっとはなれないんだから。







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20090802









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