愛の言葉さえ言えなくて、哀しみだけが僕の支え。

幸せになることよりも大切なことがあったのに。


『バイバイ』



(君に捧げる愛のうた)


白く輝く花よりも君の全てが美しかった。
君は僕の、全てだった。


「レオ君」

名前を呼んでも。

「……レオ君おいで?」

君に手を伸ばしても。

僕の声も手も君にはもう、届かないんだ。

(……愛、してるのに)

愛しい君に捧げた愛は、僕の子供っぽい悪戯で砕けてしまった(それでも君を想い続ける僕を、笑って)。

「…好きだよ、レオ君」


(…僕の可愛い子)


共に過ごした時間は短すぎて涙を止める事は難しいんだ。

(愛してるだけじゃ足りないんだよ)


届かない距離に苦悩
(僕にしては珍しく馬鹿らしいもの)









(君に捧げる愛のうた)


「………さ、……ま…」


ああ、泣かないで。
哀しいけれど、それでも僕は幸せでした。

どうか、貴方だけは笑っていて?

(…ふふ、泣くなんて、珍しいですね。僕をこんな風にしたのは貴方なのに、ね?)


…そんな顔しないで、困り、ますから。
(嬉しいけれどもう僕はいなくなるから最後にそんな顔、しないで)

最後まで貴方に伝えられなかった言葉と僕を許して下さい。

(……愛、してるのに)

掌に残るのは貴方がつけたくちづけの痕だけなのです。

『バイバイ』


(――愛してるから)


白が朱に染まっていく。
染めて染めて最後には、黒くなって見えなくなるの。

『バイバイ』


僕の愛しい人
(僕が僕自身であったのなら)




ドロドロでグチャグチャな僕。
君を好きだと泣いた僕。

全て全て、世界の狭間に堕ちて消えて僕の前から無くなってしまえ。

笑い狂う灰暗い闇の中で君を愛して僕は狂う。

さあ、眠りにつく君に愛のうたを捧げよう。

愛しい君にうたい狂う僕を捧げれば君は笑ってくれるだろうか。

さあ、目を閉じて優しく淡い夢を見よう。


君だけの、
貴方だけの、
二人の証。


バイバイ愛してるから。


バイバイ






僕が欲しいのは絶望と、君に与える白い花。滴るのは紅い血で。
(君がこの世界にいてくれるのなら僕はなんだってするのに、ね)
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君に捧げる愛のうた
2008.01.01







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