「ねえ俺は君のこと好き、なんだ」


(君は信じないなんて、言うけれど)

(――だって、)


哀しそうに誰かにそっと笑いかけている君が今すぐにでも白い花びらになって儚く消えてしまいそうで、この手でその細い手首を掴んで誰にも気付かれないように世界の果てまで逃げてしまいたいと。


(願ってしまうんだもの)


なんて歌うみたいに呟いてみたら君は泣いてしまって。
ごめんねってポタポタと零れる大粒の涙を拭ってあげたら、君の驚いた顔が可愛くて俺も泣きたくなったんだよ。


(ほら、)


俺にとってはそれは幸せな痛み。
哀しいくらいがちょうどいい。

そしたらね、零れる涙も甘く変わってきっとドシャ降りだった雨も止むんだ。

その日の空もキラキラ綺麗で数え切れないくらいの金色の星が絶え間無く煌めくんだろうね。


星を束ねて君にあげる。


ねえ、紅い薔薇より綺麗でしょう?


(…全部全部、君にあげる)

(――俺の想いも、)


(…全部全部、変えてあげる)

(――君の世界を)




でもね。
俺がしてあげられることなんて本当は、
(何もなくて呆れてしまうよ)



掴んでいた手はいつの間にか放れてしまっていて、俺が気付かないうちに足元には朱い薔薇の花びらがたくさん散らばっていたんだ。



(良かった、)


俺は君のために死ねるんだね。



ずっと、君を、好きなまま。







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愛してる愛してる愛してる(でも泣かせてしまうのはきっと僕で)


20080722







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