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彼女が異能者かと聞かれたら
答えは NOだ。


だけど、ときどき思うのは
彼女は異能者なんじゃないか…
という事。


目を合わすだけで惹き込まれる。

言葉を交わすだけで心臓が踊る。

そして、一番の問題は…


『難しい顔して どうしたの?』


俺に好意があるんじゃないかと思ってしまうこと。



「また来たノ?」


俺の頭を支配する彼女、暁奈々は、しょっちゅう オレを探しては、この屋上にやって来る。


『だって、暇だし』

「授業受けなくていいワケ〜?」

『刻くんにだけは、言われたくないなぁ』


名前を呼ばれるだけで心臓が跳ね上がる。


「オレで暇つぶしなんて、奈々チャンって贅沢だネ」

『んー…そうかもね?』

「こんなくだらねぇ話ばっかで、面白いワケ?」

『刻くんが一緒なら楽しいよ?』


ほら、まただ。
またこうやって期待させる。


「そうやって、上げといて すぐ突き落とすクセに」


『………落ちてるの?』


いろんな意味で落ちてますケド?
なんてことは言えない。


「…まぁ、時々」

『そっか〜』


何故だかニヤニヤと笑う奈々チャン


『でも、先制攻撃してきたのは
そっちよね?』

「先制攻撃…?」

『だって、先に私を落としたのは そっちでしょ?』

「…は?」


先に落とした…?
奈々チャン…それって


『好きになってもいいですか?』

「え…?//////」

『ま、嫌だって言われても
すぐに嫌いになったり できないけどねー』


さらっと 言ってのけてるけど
それは、つまり 告白…だよナ?


「はぁ…オレの負けでショ」

『…は?』

「ぜってーオレの方が先に落ちてる」

『なっ…!!//////』



彼女が異能者かと聞かれたら
答えは NOだ。


だけど、ときどき思うのは
彼女は異能者なんじゃないか…
という事。


目を合わすだけで惹き込まれる。

言葉を交わすだけで心臓が踊る。

そして、その唇にキスをすれば



オレの世界は君色に染まった。








ー キミイロ ー



まるで、幻覚にかけられたみたいに
彼女に落ちていく。






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