ギノさん


『皆おはよーっ!!』

「なになに?奈々ちゃん今日はすっげーご機嫌?」

『へへへ〜』


…何だその緩んだ顔は!
だいたい縢、暁がアホみたいに朝からテンションが高いのは 今に始まったことじゃないだろ。


『じゃじゃーんっ!!』


やめろ、その無駄に高いテンション…
こっちは真夜中に2回も現場に駆り出されて 正直言ってテンションは、お前の真逆でダダ下がりなんだぞ!少しは気遣え、察しろ!!!


『チョコレートだよぉ』

「チョコ?…何でまたチョコレートなんて」

『秀くん知らないのー?今日はバレンタインデーだよ?』

「バレンタイン?あぁ、確かそんなもんがあったな」

『おっ!征陸さん知ってる?』


バレン何だって?

いや、知らんわけではない。
ただ 今の時代 知ってる奴は そう多くはないんじゃないだろうか。


『バレンタインはね、女の子が好きな人ににチョコをあげる日なんだよ』

「好きな人?!やっべ、奈々ちゃん それって俺だよね?つか絶対に俺っしょ?」

『はい、これは秀くんの』

「ほーら やっぱ俺だよ…って、何これ…でっかく義理とか書いてあんだけど!!」

『へへーんだ、秀くんに本命チョコはやんないよー』


ふっ、ざまあみろ縢め

デスクに突っ伏し嘆いている縢を見て、笑いがこみ上げてくるのを必死に堪えた。


チョコごときで浮かれやがって、職務中だというのにどいつもこいつも。

別に自分にチョコが渡されないから 不貞腐れているわけではないんだぞ!!断じて違う!!


『ギーノさん』

「………。」

『ギノさーん?』

「……………!!なっ、何だ 暁監視官」

『何だじゃないよー ぼーっとしちゃってさ、まぁいいや はい、これギノさんに』


可愛らしくラッピングされた箱を手渡された。
心なしか他の奴らと比べて大きい気もしないでもないが…何故だ?


『ギノさんは、帰ったら開けてね?』

「…?あ、あぁ わかった」


俺だけ帰ってからというのは、何故だろうか。

何か恐ろしい仕掛けでもしているのだろうか…
暁なら やりかねん。


「やはりここで開け…」
『ダメっ!!』

「え…?」

『ダメなの!!ぎ…ギノさんのは特別なんだから…//////』

「なっ!と…特別?!//////」





特別なチョコレート


¨ 厳しいけど優しくて
ちょっと心配性なギノさんが 大好きです ¨


「………//////」


くそっ!何で律儀に帰ってから開けたんだ俺は!!



今すぐ会いたい、顔が見たい

俺も好きだと伝えたい。








- あとがき -

ギノさんなら、律儀に帰宅してから開けるかな?
って思ったんです(笑)

あ、メッセージはチョコに書いたわけじゃないですよ?
メッセージカード的なやつです(笑)



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